ICHARM -- The International Centre for Water Hazard and Risk Management

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「平成20年度 土木学会 国際貢献賞」受賞記念講演会

国連教育科学文化機関(UNESCO)自然科学局 アンドラス・ソロシナジー副局長と、(独)土木研究所 ICHARM 竹内邦良 センター長 両氏が、これまでの長年にわたる国際活動に対して(社)土木学会から「平成20年度 土木学会 国際貢献賞」を受賞されました。これを機に、国土交通省 国土技術政策総合研究所と(独)土木研究所の共催により、日本ユネスコ国内委員会、(社)土木学会及び水文・水資源学会の後援のもと、5月29日(金)にホテルメトロポリタンエドモントで「地球気候変化と世界の水問題に関する講演会」を開催しました。

まず主催者を代表して、布村明彦 国総研所長から開会挨拶ののち、来賓を代表して、渡辺その子 文部科学省大臣官房国際課企画調整室長(日本ユネスコ国内委員会事務局次長)様からご挨拶を頂きました。

竹内センター長は"Disaster Management for Sustainable Well-being"と題し、世界の水災害の被害軽減のためには、自然の猛威という外力からの保護と同時に、社会を脆弱にしている内在要因を取り除き、地域や個人レベルでの対処能力を向上させる必要があり、"human empowerment"が重要な役割を占めるであろうと述べ、その上でICHARMは、"Localism" を旗印に地域の能力向上のために、人工衛星を用いた早期警報システムの開発・普及や水災害・リスクマネジメント分野での研修活動等に取り組んでいることを紹介しました。

つづいて、ソロシナジー副局長は"Global Changes and Their Impacts on Water Resource: New Challenges and Opportunities for Civil Engineers"と題し、地球規模での気候変化や社会・経済条件の変化が水管理の分野で働く土木技術者にどのような挑戦や機会を与えるかについて講演し、特に流域水管理の上で十分な貯留施設を確保していくことの重要性を強調されました。講演の最後にジョン・F・ケネディの言葉として"Anybody who can solve the problems of water will be worthy of two Nobel Prizes, one for peace and one for science."を引用し、世界の水問題解決の意義と困難さを述べられたのが印象的でした。

約100人入る会場は最後までほぼ満席の状況で、両氏の講演を熱心に聞き入っていました。

ソロシナジー副局長と竹内センター長は、オーストリアの国際応用システム解析研究所(IIASA)在籍時にルームメイトだった頃からの35年来の友人であり、今回の同時受賞はお二人にとってエポックメイキングな出来事であったとともに、ちょうど1週間前に60歳の誕生日を迎えられたソロシナジー氏にとって「最高の誕生日プレゼント」(同氏)となったようです。


講演を行う竹内センター長

講演を行うソロシナジー副局長

講演後堅い握手を交わす両氏

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