ICHARM -- The International Centre for Water Hazard and Risk Management

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ICHARM 発足記念シンポジウム


ICHARMの活動方針について説明する竹内センター長

平成18年5月10日に国際連合大学においてICHARM発足記念シンポジウム『世界の水災害軽減に向けて−ICHARM発足の報告とご協力のお願い−』を開催しました。参加者は防災、水環境、農業、気象、建設、保険、海洋、等の分野で様々な活動を行っている大学、民間企業、独法、財団関係の方々であり、出席者約80名による活発な意見交換が行われました。


除幕式


シンポジウムの前半では、竹内センター長をはじめICHARMのメンバーがICHARMの概要とその活動方針や設立経緯、当面の具体的な活動内容の紹介を行いました。シンポジウムの後半では、京都大学防災研究所副所長の寶教授をコーディネーターとしてパネルディスカッション(パネラーを最後に紹介)を行い、頻発する世界の水災害軽減にむけてICHARMの担うべき役割や期待される活動内容について幅広い視点から意見交換を行いました。

主な意見を紹介いたします。

  1. 現地のニーズに基づいた貢献がICHARMを特徴づける。

  2. 日本国内を対象として発展してきた日本の防災技術を海外で効果的に運用していくには現地の状況に適応するようにカスタマイズする必要があり、そのための研究を実施する必要がある。

  3. 防災を必要としている地域のニーズをどのように発掘していくかが重要である。

  4. ニーズアセスメントはリソースアセスメントと組み合わせて、常に実現可能性を検討しながらニーズの発掘を行っていく必要がある。

  5. 総合リスクマネジメントの実施には幅広い分野の知識・経験が必要であり、 ICHARMと関係機関とのアライアンスが重要である.その際、双方が利用するという仕組みが必要である。また、ICHARMは幅広い人材を取り入れ、活動していくことが重要である。

  6. 地域の実態をふまえた問題解決にはコニュニティレベルでの対応も重要である。
  7. 研修の実施やデータベースの構築、現地での調査等についても様々な関係機関と密接に連携して行っていくことが重要である。

なお、会場からは、研修生の共同受け入れ、データベースの作成協力、現地ニーズの把握方法など具体的な連携の提案が寄せられました。

 

パネラーの紹介

寶 馨京都大学防災研究所 副所長 教授
辻本 哲郎名古屋大学大学院工学研究科 教授
林 春男 京都大学防災研究所 巨大災害研究センター
センター長 教授
Srikantha Herath国際連合大学 Senior Academic Programme Officer
大井 英臣独立行政法人国際協力機構地球環境部アドバイザー(防災)
栗城 稔独立行政法人土木研究所 特別調整監

 

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