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スリランカで「第2回・水のレジリエンスと災害プラットフォームに関する会議」を開催しました

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 平成29年5月下旬にスリランカ国で発生した甚大な洪水被害を受け、ICHARMでは気象・洪水予測や氾濫解析などの研究成果を活用することにより、同国での洪水対策に資する情報提供といった支援を行うこととしています。また、ICHARMでは国際洪水イニシアティブ(IFI)の事務局として、洪水被害を受ける各国に対して水のレジリエンスと災害に関するプラットフォームの構築を支援しており、平成29年8月24日にスリランカ・コロンボで「水と災害プラットフォームに関する会議」を開催しました。このたび、それに引き続いて、平成30年3月28日には第2回となる「水のリジリエンスと災害プラットフォームに関する会議」を開催しました。
 会議には、スリランカのGamini Wijith Wijayamuni Zoysaかんがい水資源大臣に参加いただくともに、S. Moharanarajahかんがい局長、国家建築研究所のAsiri Karunawardena所長をはじめ、かんがい局や国家建築研究所(NBRO)、災害管理センター(DMC)などから約30名が出席しました。
 会議の冒頭、小池センター長から、今年3月に国連・世界銀行が共同で発表した水に関するハイレベルパネルの最終報告書の中で、現在、スリランカで取り組まれているように、「水のレジリエンスと災害に関するプラットフォーム」が記されていることが紹介されました。Zoysa大臣からは、河川の流域単位での洪水対策や水資源管理の重要性を述べるとともに、ICHARMによる支援に対して感謝の意が述べられ、今後の更なる協力への期待が表明されました。また、Moharanarajah局長からは、スリランカでは洪水だけでなく、渇水にも見舞われるなど、水災害に対して脆弱であり、特に洪水についてはここ数年、多大な人的・経済的被害が生じており、水災害に関係する各機関が集まるプラットフォームによって課題の解決につながるとの期待が表明されました。続いて、アジア開発銀行研究所の吉野直行所長から「災害の地域経済に対する実証的分析」と題した特別講義が行われました。また、ICHARMの各研究員からは、気候変動やアンサンブル降雨予測、洪水予測、危機管理計画、データ管理など、これまでの研究成果について発表がなされるとともに、スリランカ側からはかんがい局、NBRO、DMCの代表者からプラットフォームに関する期待や今後の予定について発表がなされました。
 そして、後半の討議において、プラットフォームに経済や統計に関する専門機関の参画を求める意見が出されるとともに、データの共有に関するガイドラインについて合意が図られました。さらに、今後の活動展開を図っていくために、プラットフォームの調整役や各機関の連絡窓口を設置することが決定されました。会議の最後には、Karunawardena所長から閉会の挨拶を行い、プラットフォームの活動を通じて洪水による被害の軽減の重要性が強調されました。

 スリランカでは再び、洪水期を迎えようとしており、ICHARMでは洪水対策に有用な情報の提供等を通じて、引き続き同国の洪水対策を支援していくこととしております。

【会議資料】
アジェンダ
ICHARMからの発表資料
コンセプト・ノート

小池センター長(左)、Minister Zoysa(左)、DG Moharanarajah(中央)
小池センター長(左)、Zoysaかんがい水資源大臣(左)、Moharanarajahかんがい局長(中央)
セッション参加者
セッション参加者
 
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