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NEL News
新潟試験所ニュース
季刊 ・ 第10号 土木研究所 新潟試験所
1999年8月発行

Niigata Experimental Laboratory , Public Works Research Institute



トピックス

■平成11年度砂防学会研究発表会において発表

 

 去る5月19から20日に四日市市において平成11年度砂防学会研究発表会が開催され、「積雪の移動に伴う斜面侵食に関する一考察」と題して石田研究員が発表を行いました。
 積雪地帯では雪の重みによる土砂移動、あるいは全層雪崩によって斜面が引っ掻かかれるような土砂移動現象があります。しかしこれらにより生産される土砂量の算定手法には未解明な点があるため、現地試験地での計測をもとに、その結果の一考察として報告しました。今後は対策手法や積雪地帯特有の砂防計画のあり方などについてさらに検討を進めていくことにしています。

■北陸地建管内技術研究発表会において2題発表

 去る7月22日から23日の2日間にわたり、建設省北陸地方建設局主催の管内技術研究発表会が富山市の高志会館において開催されました。12の特定課題と90の自由課題が発表され、当試験所からも自由課題において「冬期における路面状態と速度特性」、「地すべり地における地下水排除施設集水管内へのスライム付着防止法に関する研究」の2課題を荒川と安藤がそれぞれ発表しました。
 前者は、除雪機械出動基準及び凍結防止剤散布基準を作成する基となる冬期路面管理水準の策定を目的として、冬期道路機能障害要因と道路交通の関係を現地観測結果から分析したものでその結果、交通観測および路面凍結検知装置による結果から冬期道路における路面状態別の走行速度特性を定性的に把握した点や、検知装置の判別性能検証を行い、現場への適用性と解決すべき問題点等について報告しました。
 後者は、地すべり防止工事で最も数多く用いられている地下水排除工についての研究発表です。
 近年、地下水排除施設は、その機能低下が大きな問題になっています。
 今回の発表では、まず機能低下を起こしている施設の実態や、地下水の水質分析結果、機能低下の原因となっているスライムの成分分析結果などを示し、その後スライムの付着防止法の基礎試験結果について報告しました。
 なお、スライム付着防止法に関する基礎試験については、今回の研究ノートで詳しく紹介しています。

■JICA研修生来所

 去る5月21日、日本における火山砂防工学研修の一環として、ネパール、インドネシア、ニカラグア、フィリピンの4ヶ国から4名のJICA研修生が来所されました。
 当所では、主に新潟県に発生した地すべり災害の実態や、地すべり試験地での動態観測方法及び地すべり粘土のせん断試験方法の研修をしました。また、道路雪面すべり抵抗測定車、低温実験室内にある雪崩模型実験装置等の施設を見学されました。
 その後、各国の土砂災害の実態や対策についての熱心な意見交換が行われました。

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