平成26年度砂防学会「新潟大会」若手優秀発表賞 受賞

2013年山口・島根豪雨災害により発生した表層崩壊の地質・地形的特徴

土砂管理研究グループ(火山・土石流)の松澤真前交流研究員が、下記のとおり、
平成26年度砂防学会「新潟大会」若手優秀発表賞を受賞しました。

論文名:2013 年山口・島根豪雨災害により発生した表層崩壊の地質・地形的特徴
(平成26年砂防学会研究発表会、B-114〜B-115.(2014))
筆者:松澤真(1)、木下篤彦(2)、高原晃宙(3)、石塚忠範(4)、伊藤健(5) 、眞田淳二(5) 、
荒木義則(6) 、杉原成満(6)
(1)土砂管理研究グループ(火山・土石流) 前交流研究員/
(2) 土砂管理研究グループ(火山・土石流) 主任研究員/
(3) 土砂管理研究グループ(火山・土石流) 研究員/
(4) 土砂管理研究グループ(火山・土石流) 上席研究員/
(5)国土交通省中国地方整備局/
(6)中電技術コンサルタント(株)
受賞理由:
 若手優秀発表賞とは、平成26年度砂防学会「新潟大会」において、優れた調査研究を行い、口頭発表した若手学会員を対象として、その功績を称えるとともに、若手学会員の研究意欲の高揚と砂防に関する調査研究の進展を目的として、表彰するものである。
 本研究では、流紋岩質凝灰岩分布地域にて発生した表層崩壊の形態及び発生しやすい地域を明らかにすることを目的に、山地の解析程度、斜面下部の未崩壊部の有無に着目して、地質・地形知的調査を実施した。
 調査地域は2013年7月の豪雨により、表層崩壊が多発した山口県萩市須佐南方地区である。調査地域において、地形分類図と土砂移動分布図を作成し、地形分類と崩壊地面積率との関係を検討した。さらに63箇所の崩壊地の現地調査を行い、崩壊形態、崩壊規模、斜面下部の未崩壊部の有無などの表層崩壊の特徴を調べた。
 その結果、当該地域で発生した表層崩壊は3タイプに分類することができ、平均崩壊深が1.0m以下と薄い崩壊が90%の割合で発生していたことが明らかとなった。また、崩壊の94%は開析斜面上部にて発生しており、開析斜面上部にて崩壊が発生しやすいことが明らかとなった。