国立研究開発法人 土木研究所

研究活動

突発的な自然現象による土砂災害の防災・減災技術の開発

研究概要

 近年、火山噴火、大規模地震、ゲリラ豪雨及び急激な融雪といった突発的な自然現象による土砂災害により、緊急的な対応が求められる事例が増えてきています。突発的な土砂災害に対応するには、 災害発生の初期対応をより迅速・効果的に実行可能とさせる技術と、既存ストック等が致命的な損傷を受けず機能を最大限発揮させる技術が求められます。
 本研究は、突発的な自然現象による土砂災害の防災・減災を実現するため、以下の3つの達成目標を掲げています。

  1. 土砂移動現象の監視技術の開発及びのり面・斜面の点検・管理技術の開発
  2. 土砂移動の範囲推定技術及び道路通行安全性確保技術の開発
  3. 土砂災害の防止・軽減のための設計技術及びロボット技術の開発

 ①については、深層崩壊を検知する振動センサ等各種センサの開発を通して、土砂災害発生箇所を早期に覚知する技術に関する研究を行います。 ②については、土石流の被害範囲推定技術の高度化、ゲリラ豪雨・融雪を考慮した道路斜面安定性の評価技術の開発を行い、生命・財産・社会インフラへのリスク評価に関する研究を行います。 ③については、大規模土石流に対する砂防堰堤の設計技術、火山噴火時等の危険の多い災害現場での無人施工技術に関する研究を行います。
 これらの研究により、突発的に起こる土砂災害から「命を守る」、「社会経済の壊滅的な被害を回避する」ための防災施策の展開を目指します。