国立研究開発法人 土木研究所

研究活動

食料供給力強化に貢献する積雪寒冷地の農業生産基盤の整備・保全管理に関する研究

研究概要

 将来、世界の食料需給関係が逼迫すると予測されている中で、日本の「食料・農業・農村基本計画(平成27年3月)」では、カロリーベースで45%という自給率目標が掲げられました。 これを達成するうえで、大きな食料供給力を持つ北海道農業の重要性が増しており、新技術を活用した生産基盤の整備が急務となっています。このような背景から、農業生産基盤の整備・保全管理に 関する次のような技術開発を行います。

  1. 大区画圃場の整備・管理技術の開発
    担い手の減少・高齢化とともに進む経営規模の拡大に対応して、土壌特性に応じた大区画圃場の整備技術、 大区画圃場での地下水位制御システムの高度利用技術、大区画水田整備地区における周辺水文環境と調和した灌漑排水技術などを提案します。
  2. 農業水利施設の維持管理・更新技術の開発
    老朽化が進む農業水利施設の適切な保全管理が必要とされていることから、積雪寒冷地の農業水利施設で生じる凍害と摩耗の複合劣化などの診断・評価方法とそれに対応した補修・補強方法を開発します。 また、大規模災害時のリスク等に対応した災害対応計画策定技術を開発します。
  3. 環境との調和に配慮した灌漑排水技術の開発
    環境との調和に配慮した農業が求められている背景から、肥培灌漑施設における省エネ型の乳牛ふん尿調整技術や、酪農地帯における水質環境評価技術・対策手法を提案します。