研究成果・技術情報


知的財産権: 特許 第4127551号pdfファイル 技術資料: リーフレットpdfファイル
NETIS登録番号: KT-100023-A (NETISページへ)

技術の概要
 NAV工法は、ひび割れが発生したトンネル覆工コンクリートの表面に、新しく開発した透明な補修シートを樹脂で接着し、はく落を防止する技術です。ナイロンクロスにアクリル樹脂の接着剤を塗布・含浸することにより、従来の炭素繊維等を用いた連続繊維シートでは不可能であった透明度の高いFRP(繊維強化プラスチック)を形成し、補修後も既存のひび割れの進展状況や新たなひび割れの発生等を目視で継続して観察することができます。これによりトンネルの安全な状態での供用を確保するとともに、従来に比べて工期を短縮しコストを縮減することができます。 また、補修シートにガラス繊維を用いることで、耐火性能をさらに向上させたNAV-G工法も提案しています。
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適用の効果
1) 安全な供用の確保
  • 補修後の覆工表面の変状を目視で確認できるため、状況に応じ必要な追加の対策を講じて安全性を確保することができます。

  • 2) 工期短縮
  • 従来の炭素繊維シート等による補修工法に比べて、接着剤の養生・硬化時間が短くなるため、工期を短縮することができます。

  • 3) コスト縮減
  • 従来の炭素繊維シート等による補修工法に比べて、材料コストの低減と工期短縮の効果により、コストを縮減することができます。
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    < NAV工法の可視性 >       


    適用条件
  • トンネル坑内の気温が-10℃~35℃である。
  • 覆工に土圧の増加による変状が生じていない。
  • 湧水等の影響が無く、施工時に覆工面を乾燥状態にできる。
  • 車線規制範囲内に、高所作業車を設置できる。


  • 適用上の留意点
  • 湧水等の影響がある場合には、施工前に適切な防水工・導水工を行う。
  • 覆工表面に欠損や大きな不陸がある場合は、事前に断面修復を行う。
  • はく落が想定される範囲全体をナイロンクロスで覆い外周部に十分な定着長を確保し、アクリル樹脂接着剤が完全に固化するまで結露・粉塵の付着がないよう養生する。


  • 適用実績 (NAV-G工法含む)
    年度 導入現場
    平成20年度 国土交通省、高速道路等の道路トンネルや
    JR、地下鉄等の鉄道トンネル など
    4件
    平成21年度 国土交通省、高速道路等の道路トンネルや
    JR、地下鉄等の鉄道トンネル など
    4件
    平成23年度 JR、地下鉄等の鉄道トンネル 1件
    平成24年度 国土交通省、高速道路等の道路トンネルや
    JR、地下鉄等の鉄道トンネル など
    4件
    平成25年度 国土交通省、高速道路等の道路トンネル など 3件
    平成26年度 国土交通省、高速道路等の道路トンネル 1件
    合計 約43,000m2(H28.3現在)


    共同開発者
  • 鹿島建設株式会社
  • 電気化学工業株式会社


  • 問合せ先
      国立研究開発法人 土木研究所 道路技術研究グループ トンネルチーム :TEL 029-879-6791
      鹿島建設株式会社 土木管理部 土木技術部 :TEL 03-5544-0499
      電気化学工業株式会社 特殊混和材部 補修材料G :TEL 03-5290-5137