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インバイロワン
 
目次
1. 従来工法とインバイロワン工法の特徴
2. インバイロワン工法とは
3. インバイロワン工法のメリット
4. 主な施工実績
5. 参考文献
6. 受賞等
 
1. 従来工法とインバイロワン工法の特徴

わが国の鋼橋は合理的かつ経済的な維持・管理のために、鋼材を防食する塗装をこれまでの一般塗装系塗膜からより耐久性に優れた重防食塗装系塗膜へ替える必要があります。このため、一般塗装系塗膜(旧塗膜)を全て剥がすことが望まれます。「インバイロワン工法」は確実・安全に旧塗膜の全てを除去・回収できる新しい工法です。

わが国の鋼橋は約70,000箇所。その中でも塗膜の耐久性が劣り、有害物質を含有する一般塗装系が適用されているものが約7割存在します。

限られた予算で、最も効果的な防食LCC(ライフサイクルコスト)を考慮した鋼橋塗膜の維持・管理が求められている中、独立行政法人土木研究所と山一化学工業株式会社は、共同研究により旧塗膜を確実・安全に除去するためのはく離剤による塗膜除去工法「インバイロワン工法」を開発しました。

鋼橋の重防食塗装系への移行には、素地調整程度2種以上の鋼素地が必要とされます。従来の工法では、大きく機械的工法と、はく離剤工法に分けられます。それぞれの工法を比較しました。
鋼橋長寿命化のための環境対応・現場塗膜除去技術

塗膜除去
塗膜除去

塗膜除去工法の比較

工法

特徴 作業環境 周辺環境
への影響
塗膜
回収性
課題等
機械的工法 ブラスト工法 塗膜はく離は容易に行えるが、大型装置を設置するための耐荷重足場が必要。 塗膜ダストを作業者が吸引しないための対策が必要。騒音が大きい。 塗膜ダストの飛散防止対策が必要。 塗膜ダストの回収率は低い。 除去塗膜と研削材(産業廃棄物)の発生量が膨大で処理コストが高い。特に十分な防護工が必要。
電動工具処理 平面の塗膜除去は容易に行えるが、隅角部や添接部等では除去が困難。生産性が低い。 塗膜ダストを作業者が吸引しないための対策が必要。騒音が大きい。 塗膜ダストの飛散防止対策が必要。 塗膜ダストの回収率は低い。 隅角部や添接部等では塗膜除去が難しく、作業時間と労力が多く掛かる。十分な防護工が必要。
ウォーター
ジェット工法
塗膜除去は比較的容易に行えるが、大型装置を設置するための耐荷重足場が必要。 騒音が大きい。 塗膜片を含んだ廃水の飛散防止対策が必要。 塗膜片を含む廃水の回収率は低い。 塗膜片を含んだ廃水の回収と、処理コストが高い。防護工が必要。
はく離剤工法 従来型はく離剤工法 塗膜は1層ずつしか除去できない。生産性が低い。 皮膚腐食性が大きく、揮発性も高く、作業環境の溶剤濃度が高い。 生分解性が低い。大気汚染の可能性もある。毒性を含むものもある。 塗膜が溶解してしまい、回収しにくい。 多層塗膜を一度にはく離できないため、作業工数が多い。錆部や添接部等は、電動工具等の併用が必要。
インバイロワン工法 塗膜はく離が容易に行える。一度の塗付で塗装面の最下層まではく離可能。 皮膚腐食性が小さく、揮発性も低く、作業環境の溶剤濃度が低い。 生分解性が高い。
PRTR法、労働安全衛生法に該当しない。
塗膜は湿潤シート状に軟化するので、回収が容易である。 錆部や添接部等は、電動工具等の併用が必要。
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2. インバイロワン工法とは

機械的工法による塗膜除去は、塗膜に研削材をぶつけた衝撃力で塗膜を「破壊」して除去する手法がとられてきました。インバイロワン工法は、塗膜にゆっくりと浸透して、塗膜を軟化させるため、塗り重ねられた多層塗膜も1度ではく離することができ、回収も容易です。

高級アルコールが主成分のインバイロワンは、柔らかなペースト状であるため、「塗り作業性」が良好です。塗膜表面に塗付すると、濡れ性が高く、速やかに毛細管現象のように塗膜に浸透していきます。約24時間でジンクリッチペイントまで到達し、塩化ゴム系塗膜との界面を軟化させ付着力を無くします。
 

塗膜除去モデル
 

適合する一般塗装系 A塗装系:鉛系錆止めペイント/長油性フタル酸樹脂塗料
B塗装系:鉛系錆止めペイント/フェノールMIO塗料/塩化ゴム系塗料
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3. インバイロワン工法のメリット

塗膜はく離が確実・安全

環境負荷を与えない

作業員に対する安全性も高い

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4. 主な施工実績
工事名 発注者 施工時期 面積(m2)
新大浜橋塗替え工事 熊本県振興局 2004/11/10−30 100
国道8号高新大橋塗替え工事 北陸地方整備局
富山河川国道事務所
2005/6/22−23 600
国道10号1号橋塗替え工事 九州地方整備局
宮崎河川国道事務所
2005/11/21−22 250
国道242号クンネベツ橋 北海道開発局 2006/7/20−8/22 95
国道236号帯広市歩道橋 北海道開発局 2006/8/20−9/20 540
函館万代跨道橋 JR北海道 2006/8/20−9/30 368
引野高架橋 福岡・北九州高速道路公社 2006/10/15−10/30 220
北46工区補修工事その1 福岡・北九州高速道路公社 2007/6/20−12/26 8400
北46工区補修工事その2 福岡・北九州高速道路公社 2007/6/20−12/26 9140
北46工区補修工事その3 福岡・北九州高速道路公社 2007/6/20−12/26 8840
北48工区補修工事その1 福岡・北九州高速道路公社 2007/6/20−12/26 9540
真名川ダムゲート付属設備塗装工事 近畿地方整備局
九頭竜川ダム統合管理事務所
2007/8/17−9/10 260
釧路市北大通り照明灯塗替え工事 北海道庁釧路支庁
釧路土木現業所
2007/09/15−22 90
釧路市北大通り照明灯塗替え工事 北海道開発局
釧路開発建設部
2007/09/15−22 560
1号桜宮橋塗装修繕工事 近畿地方整備局
大阪国道事務所
2007/10/16−12/26 5000
崎川橋塗装工事 東京都江東区 2007/10/31−11/30 550
紀左ヱ門橋塗替え塗装工事 名古屋市 2007/11/05−30 600
小割沢橋 青森県 2007/11/09−22 290
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5. 参考文献
  1. 『鉛・クロムなどの有害物質を含有する塗膜の安全な除去に関する共同研究報告書』 −鋼構造物防食塗膜、環境対応現場塗膜除去技術−インバイロワン工法施工マニュアル共同研究報告書第374号,平成19年9月
  2. パンフレット『鋼構造物長寿命化のための環境対応・現場塗膜除去技術』
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6. 受賞等
「第8回国土技術開発賞最優秀賞」国土交通大臣賞 受賞(平成18年度)
「第2回ものづくり大賞日本」(内閣総理大臣賞)受賞(平成19年度)

特許権第3985966号
NETIS: KT-060135-A
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−連絡先−
独立行政法人土木研究所つくば中央研究所 材料資源研究グループ新材料チーム
〒305-8516 茨城県つくば市南原1-6 TEL: 029-879-6763 FAX: 029-879-6733

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