FRP(Fiber Reinforced
Plastic,繊維強化プラスチック)は優れた耐食性を有する、軽量かつ高強度である、などの特徴をもつ、土木構造材料としては比較的新しい素材です。一方、FRPは弾性率が低い、材料費が高価などの、土木構造材料としては利用上留意を要する点もあげられます。そこで、当チームではFRPの持つ特徴を活かすことができる、土木構造物(道路構造物)への適用方法について検討を行ってきました。その中のひとつが、ここに紹介する
「耐塩害性に優れたFRP鈑桁歩道橋」としての適用方法です。
なお、この研究は、(財)土木研究センター、AGCマテックス(株)、石川島播磨重工業(株)、新日本石油(株)、日東紡績(株)、三菱重工業(株)との共同研究により実施しました。
|
|
|
|
|
1. 構造の概要
日本初のオールFRP歩道橋である伊計−平良川線ロードパーク橋の基本構造を出発点として、より汎用性の高いFRP引抜成形部材を用いた鈑桁橋としています。
|
|

構造イメージ図 |

主構造部材
(引抜成形材H600) |
|
|

伊計-平良川線ロードパーク橋(沖縄県) |
■主要物性(GFRP)
- 密度:1.9g/cm3
- 引張強さ:400MPa
- 弾性率:26GPa
|
|
|
|
▲TOP |
2. FRP歩道橋の特徴と主な仕様
1)特徴
- 耐食性に極めて優れている。(塩分で劣化しない)
- 軽量である。(鋼製の1/3程度)
2)主な仕様
- 主要素材:FRP引抜成形材
(ガラス繊維及びビニルエステル樹脂、炭素繊維板補強)
- 幅員:2〜3.5m程度
- 支間長:最大20m程度
|
|

実大模型橋 |
|
▲TOP |
| 3. 設計技術の概要 |
- 道路橋示方書・同解説及び立体横断施設技術基準に準拠
- FRPには降伏点がないため、FRP素材に適合した座屈強度設計法を採用。
- たわみ許容値を立体横断施設技術基準に基づき1/400と設定。
- 載荷試験、FEM解析等による設計法の妥当性検証。
|

FRP桁部材の載荷試験 |
|
|
▲TOP |
| 4. 主な適用用途 |
| 1)歩道のない橋梁への歩道(側道)新設 |
 |
| 2)塩害地域の鋼製歩道橋の更新 |
 |
|
▲TOP |
| 5. 適用事例 |
|
自転車道13号橋(石川県羽咋市)への適用事例。 |
(1)架設前
木橋。架設後13年で、結合部のボルト穴の腐食損傷により架け替え。 |

架設前の木橋 |
(2)架設施工時
ライフサイクルコスト(LCC)が重視され、FRP鈑桁歩道橋が採用される。 |

FRP鈑桁架設状況 |
(3)架設後
橋長:11.3m、幅員(有効幅員):4.0m(3.5m)、桁高:600mm |

自転車道13号橋全景

FRP鈑桁 |
|
▲TOP |
| 6. 参考文献 |
- 「繊維強化構造材料の歩道橋への利用可能性の検討」土木研究所資料第3291号,平成6年11月
-
「繊維強化プラスチックの土木構造材料の適用に関する共同研究報告書(I)−一次構造材料としてのFRPの適用事例調査−」共同研究報告書第210号,平成10年10月
-
「繊維強化プラスチックの土木構造材料の適用に関する共同研究報告書(II)」共同研究報告書第252号,平成12年12月
-
「FRPを用いた橋梁の設計技術に関する共同研究報告書(I)−ビルドアップ法によるFRP歩道橋設計に関する検討−」共同研究報告書第324号,平成17年12月
-
「FRPを用いた橋梁の設計技術に関する共同研究報告書(I)−FRP歩道橋の適用性に関する検討−」共同研究報告書第360号,平成19年6月
- パンフレット「軽量素材(FRP)を用いた高耐食性歩道橋(FRP桁橋)
」
|
|
▲TOP |