|
|
|
|
1. はじめに
海岸等、厳しい腐食環境下に建設される鋼道路橋では重防食塗装を行っています。しかし、重防食塗装を施しても、桁端や現場接合部などでは塗膜厚不足などにより塗膜の防食効果が十分に得られない場合があります。新材料チームは、このような部位の塗膜にチタン箔と基材を一体化したチタン箔シートを適用する工法により、鋼道路橋の耐食性の向上を図るための技術を開発しました。
|

厳しい腐食環境下にある橋梁桁端部の腐食状況
|
|
▲TOP
|
2. チタン箔シート被覆工法の概要
鋼道路橋の旧塗膜上に変形エポキシ樹脂材料による下塗り及び増し塗りの後に、チタン箔シートを貼り付け、その後中塗り、上塗りを施します。これにより部材角部の耐食性が向上します。また、チタン箔被覆工法で鋼道路橋塗膜の弱点が補強されることにより、鋼道路橋の防食に係るライフサイクルコストを削減することが可能となります。
|

チタン箔シート被覆の構造 |
|
| ▲TOP |
3. チタン箔シート被覆の技術開発
3.1 素材の選定
素材の選定にあたっては、付着特性を調べるための水中浸漬試験、実大桁による施工性試験、チタン箔の耐衝撃性試験を実施しました。その結果、チタン箔0.1mm厚、0.75mmブチルゴム基材アクリル接着テープを選定しました。
|

チタン箔の施工性試験を実施した実大桁
|
| ▲TOP |
3.2 仕様の検討
チタン箔シート端部からの水分の浸入を防ぐとともに、金属光沢を橋梁の色彩に合わせるための塗装仕様を検討しました。付着特性を調べるための水中浸漬試験、防食特性を調べるための高湿試験、塗装作業性と付着性試験を実施しました。その結果、チタン箔シートによる塗装の仕様(下記)を提案しています。
|
チタン箔シート被覆の仕様
| |
下地処理 |
防食下地 |
|
下塗り |
中塗り |
上塗り |
| 塗装部 |
ブラスト
処理鋼
(Sa2.5) |
無機ジンク
リッチ
ペイント
700g/m2
75μm |
ミスト
コート |
エポキシ
塗料下塗
300g/m2
75μm |
ふっ素
塗料用
中塗
170g/m2
30μm |
ふっ素
塗料用
上塗
140g/m2
25μm |
チタン箔
貼付け部 |
チタン箔シート 0.85mm |
|
|
▲TOP
|
3.3 現場における試験施工
河口に架かる厳しい腐食環境下にある道路橋において、腐食の著しい鋼桁にチタン箔シート被覆工を試験施工しました。その結果、通常の塗替え塗装を行った部位は、3年で腐食が発生し始めたのに対し、チタン箔を適用した部位は良好な状態が保たれています。
|

チタン箔シートによる塗膜の防食
|
|
▲TOP
|
3.4 マニュアル案の作成
3.1〜3.3に示した試験の成果を取りまとめて、「チタン箔シートによる重防食塗装の耐食性補強マニュアル(案) 」を作成しました。
|
|
▲TOP |
|
4. 参考文献
|
- 「チタン箔粘着による鋼構造物防食法の開発」『チタン』No.51,Vol.3,(社)日本チタン協会,平成15年7月
- 「鋼橋の金属被覆による耐食性向上に関する検討」第25回日本道路会議,(社)日本道路協会,平成15年10月
- 「チタン箔塗膜弱点部の補強に関する検討」第26回鉄鋼塗装技術討論会,(社)日本鋼構造協会,平成15年10月
- 「チタン箔に高耐候性塗料を被覆した重防食仕様に関する検討』第24回防錆防食技術発表大会,(社)日本防錆技術協会,平成16年7月
- 「チタン箔による塗膜弱点部の補強に関する検討」第51回材料と環境討論会,(社)腐食防食協会,(社)腐食防食協会,平成16年9月
- 「チタン箔と塗装とを用いた橋梁防食に関する検討」第26回日本道路会議,(社)日本道路協会,平成17年10月
|
|
▲TOP |
|
5. マニュアル、特許等
|
|
|
|
▲TOP |