物理探査・土木技術に関する情報を提供します.

研究紹介

河川堤防の内部構造探査技術

堤防上での統合物理探査風景写真
堤防上での統合物理探査風景 (拡大)

河川堤防は洪水や地震時にも破堤しない強度を有していることが求められますが,外見だけでは強度に問題がある部分を抽出することが困難です.そこで堤防内部の構造と物性分布をイメージングし,弱点箇所を効率的に抽出することが可能な物理探査手法について研究し,その開発と普及展開をはかっています.

関連リンク:
堤防の内部構造調査(最近の話題)

表層地盤物性の高精度試験・計測法の研究

高密度での土質試験と連続的孔内検層の結果図
高密度での土質試験と連続的孔内検層によって,表層地盤の詳細な地盤物性を評価することができます(稲崎,投稿中) (拡大)

現行の原位置調査・試験法のなかには精度や信頼性に欠ける試験法があります.標準貫入試験もその一つで,軟弱な粘性土層に対しては感度が低く,逆に砂礫層ではサンプラを貫入させることが困難で正確に測定することができません.連続に測定することもできません.そこで地盤物性を高精度で,かつ連続的に計測することが可能な原位置計測法の開発を図っています.

活断層周辺の地下構造探査手法の研究

桑名断層でのランドストリーマー探査風景写真
桑名断層でのランドストリーマー探査風景.
前方右の道路下崖が断層崖. (拡大)

我が国では陸域だけでも2000を超える活断層が確認されています.活断層の周辺地盤は,一般的に断層変位によって複雑な構造を呈しています.活断層周辺で地表開発を行なう際には,断層変形がのど範囲まで及んでいるのか,どのような地盤変形が起こっているのか,を評価することが重要です.そこで,表層地盤構造を詳細に可視化することが可能なランドストリーマー探査法を活用した活断層調査手法の開発に取り組んでいます.

関連リンク:
S波ランドストリーマーの開発(最近の話題)

平野表層地盤の物性データベースの構築

微小ひずみ領域のせん断剛性率比較
微小ひずみ領域のせん断剛性率比較(Inazaki, 2006(拡大)
高精度S波検層から見積もった剛性率(Gf)と室内三軸試験結果(G0)は概ね1:1の直線近傍にプロットされる.この直線から右側にそれるデータは室内試験結果に問題があることを示唆している.

平野表層地盤に関わる地質情報は,最も根幹的な国土基本情報のひとつであり国土の保全,自然災害の低減,地震防災対策,地域自然環境を配慮した持続的国土開発に不可欠な情報です.その地盤情報を収集数値化し,利用しやすい形態で管理することができるデータベースシステムの構築を図っています.主として関東平野や濃尾平野など産業と人口が集中する沖積平野を対象に,ボーリングデータ,土質試験データ,弾性波速度データを収集し,対象地域の地盤物性の評価に活用する計画を防災科学研究所,産業技術総合研究所とともに進めています.