物理探査・土木技術に関する情報を提供します.

舗装の物性構造把握への物理探査技術の適用と開発

当担当では舗装の物性構造を高解像度でイメージング・評価する現場計測技術の開発に着手しました. その手始めとして,土木研究所構内にあるひび割れやわだち掘れが顕著な舗装路区間において,既往の物理探査技術による測定実験を行いました. はじめに車載型レーザスキャナーを用いて路面の凹凸を計測してわだち掘れを検出しました. 次にひび割れにチョークでマーキングを行い,デジカメの多点撮影により作成した路面のオルソ画像上でひび割れを抽出しました. 検出したわだち掘れやひび割れ分布を図1に示します.次に対象領域に25cmの測定グリッドを設定し,GPR探査を適用しました. T9測線(図1の赤線)の解析結果のGPR断面を図2に示します.


図1 測定実験を行ったひび割れやわだち掘れが顕著な舗装路(土研構内)

図2 T9測線(図1の赤線)のGPR解析結果とボアホールカメラ画像

GPRの解析結果から,路床上面が大きく起伏していることが推定されました.この結果を検証するため,舗装を削孔し,ボアホールカメラで孔壁を観察しました. その結果,図2に示すように孔壁画像とGPR解析結果はよく一致していることが確認できました. このサイトでは舗装のS波速度構造を推定することが可能な高周波表面波探査も適用しています. 図4がその解析結果の一例です.GPRで推定した舗装構成の層厚に基づいて,表層・路盤・路床の3層モデルを用いて観測した位相速度をよく説明できるモデルを探索しています. 高周波表面波探査結果のみからは,層厚とS波速度を同時に決定することは困難ですが,GPR探査結果を組み込むことによって,舗装のS波速度構造推定が可能になることがわかりました.


図3 路面の凹凸とGPRから推定した路床面の形状

図4 GPRで推定した舗装層厚に基づくS波速度構造の推定結果

2015年10月に本データを使用した3Dモデルを作成しました.
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