物理探査・土木技術に関する情報を提供します.

GPRによる吉野ヶ里歴史公園周辺の遺跡調査

土木研究所では路面下空洞検出へのGPRの適用実用化に向け,機器開発を含めた技術開発を進めています. 一般的に路面下空洞は1m以浅に集中していますが,下水管路の吸出し等に伴い発生する空洞は深さ1〜2m近くに分布することが知られています. 従来のGPR探査ツールでは,この付加さの空洞を捉えることは困難でしたが,土研で新たに開発導入したGPR探査機器は,卓越周波数帯域が広く,この深さの空洞が検出できると期待されています. そこで,GPR探査機器の性能評価およびGPSによる位置精度検証のための現場実験を吉野ヶ里歴史公園やその周辺で実施しました.


図1 探査状況写真

吉野ヶ里遺跡の発掘調査は概ね終了しており,遺構は盛土によって保存され,歴史公園として整備が進められています. その遺跡保護の一環として,地下水排水処理工事後に再覆土した遺構を地表から非破壊で検出するため,RTK-GPSによる位置計測に基づいたGPR探査を適用しました(図1). 公園内でのGPRの解析結果からは,地下の遺構よりも保存盛土内に設置した地下水集排水管の分布状況がより強く映し出されました(図2).


図2-1 GPR解析結果(RTK-GPSによる探査軌跡)

図2-2 GPR解析結果(深度1mまでのGPR平面投影図)

一方,公園周辺の市道において路面下空洞を発見しました. 下水道等の埋設物がないことから,未発見の遺構が埋没している可能性が考えられます. この路面下空洞の検出および検証については,引き続きGPRによる調査研究を継続中です.


図3 吉野ヶ里公園周辺で検証実験を継続実施中の路面下空洞確認箇所

図4 GPRで検出した路面下空洞(換算深度は暫定値)