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路床埋積巨礫検出・撤去を目的とした地中レーダ(GPR)による緊急調査

建設中の高速道路盛土路床部に規格外の礫が混入している可能性があることが分かりました。規格外の礫が混入すると、礫周辺での締固め不足により舗装後の路面に不陸が発生し,走行性に支障を来たす恐れがあります.そこで稠密精密測位地中レーダ探査により,転圧後の路床内の埋積巨礫の検出を試みました.


図1 使用した機材:地中レーダ探査機器とRTK-GNSSを組み合わせたシステム

我々の調査に先立ち,工事担当事務所により地中レーダ探査試験が実施されていましたが,埋積巨礫の検出には至りませんでした.試験時の路床の湿潤状態や地中レーダ探査装置の設定条件が適切ではなかった可能性がありました.そこで降雨後の路床が湿潤していた時期を選び,また微弱な信号を捉えることが可能な地中レーダ探査装置を2台投入して現地調査を実施しました.

まず,試験ピットに巨礫を埋設していただき,その巨礫を検出できるかを検討しました.その結果,深さ50cm程度に埋められた巨礫からの信号を鮮明に捉えることができました.そこで直後から路床部の調査に望み,対象とした延長540m,道路幅20mの区間を2日半の現地作業でカバーしました.測定データを研究所に持ち帰り,直ちに解析に取りかかり,2日間で148箇所の異常信号を抽出しました.その後再度工事現場に赴き,異常信号を再確認するとともに精密測位(RTK-GNSS)により位置を特定して重機による掘削摘出作業を同時並行で進めました.

その結果148箇所中146箇所から規格外の礫を摘出することができました.現地での試験計測から埋積巨礫の撤去までを暦日数で10日間で終わらせることができ,高速道路建設工事の遅滞を最小限にとどめることに貢献することができました.



図2 レーダ記録と確認された巨礫