物理探査・土木技術に関する情報を提供します.

荒川下流河川堤防で統合物理探査を実施

2007年7月中旬〜下旬にかけて,東京都と埼玉県の境界を流れる荒川の右岸堤防で統合物理探査を実施しました.調査区間は21km地点(JR京浜東北線橋梁)から24km地点(JR新幹線橋梁)間の約3kmで,区間内の浮間地区では旧河道を埋め立てて堤防が構築されています.

探査測線案内図
探査測線案内図(Google Earthを使用).荒川の旧河道が浮間公園として整備されています.

実施した物理探査手法は牽引型比抵抗探査法とランドストリーマー型表面波探査法で,この2種類の探査手法の組み合わせの有効性を検証することが今回の統合物理探査の目的でした.

牽引型比抵抗探査実施風景の写真
牽引型比抵抗探査実施風景.電動カートを利用して装置を牽引しました.
ランドストリーマー型表面波探査実施風景の写真
ランドストリーマー型表面波探査実施風景.かけ矢で堤防表面を叩き,堤体内を伝播する表面波を計測します.

河川敷道路測線断面では,旧河道との交差部で表層が高比抵抗を示しています.天端測線断面では,改修区間(下流側約900m)で堤体下部まで比抵抗値が大きな値をとることが明らかになりました.天端部約4mは全般的に高比抵抗ですが,これは改修による嵩上げ部に相当すると考えられます.

比抵抗解析断面
比抵抗解析断面.河川敷道路測線(上)と天端測線(下)との間には約10mの比高差があります.

今後表面波探査結果の解析を進め,当該堤防の質的評価に加えてS波速度と比抵抗値を用いた堤体材料特性の評価基準を確立に活用する予定です.