物理探査・土木技術に関する情報を提供します.

大規模液状化発生箇所で総合的地質調査を実施

2011年3月に発生した東日本大震災では,東京湾に面した埋立地で大規模かつ深刻な液状化被害が発生しました.その被災地の一つ,千葉市美浜区に位置する幕張海浜公園において液状化層の同定とその広がりを把握することを目的とした総合的な地質調査を2012年2月に実施しました.

公園内の7地点においてコーン貫入試験,そのうち4地点では標準貫入試験ボーリングとオールコアボーリングを実施しました.またそれらの地点をつなぐように,延長120mの探査測線を設定して地表物理探査を実施しました.

公園内には震災後1年近くを経ているにもかかわらず,数条の液状化亀裂が残存していました.その亀裂部において,噴砂を採取することを目的としてハンディジオスライサー調査を実施しました.

採取したコア試料はその場で観察・処理し,詳細な粒度分析や液状化構造の観察を実施しました.

図はS8地点で採取したコア写真,表層剥ぎ取り写真および5cm間隔にコア試料を分取して分析した粒度組成を頻度分布図としてしましたものです.地表から20cmまでは,噴出して割れ目に堆積した噴砂,その下位には約5cm厚の表土が取り込まれていました.砂脈は直線的ではなく,途中で稲妻のように屈曲していること,また異質土塊が混入し,部分的に不均質になっていました.
粒度組成は砂脈内ではほぼ一様で,3φ(0.125mm)付近に鋭いピークを持ち,細粒分も粗粒分も少ない特徴的な頻度分布を呈することがわかりました.