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ARRCNEWS

ARRC NEWS(アーク ニュース)は、研究成果の内容をわかりやすく解説したニュースレターです。
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ARRCNEWS 20周年特別記念号

抜粋記事

官民連携の川づくり・河川管理を目指して

河川に関する事業を行う際には地域住民と行政が情報を共有し、合意形成を図ること必要です。しかしその方法論は確立されておらず、地域住民の理解を得るためには具体的に何が有効か不明な点も多く課題となっています。ここでは市民の川への関心を高める河川環境教育プログラム及び展示ツールについて紹介します。また、河川法改正から20年の変遷を整理しました。
キーワード:官民連携、市民活動、展示、体験型プログラム

ダム下流の生物に配慮した適切な土砂供給を目指して

土砂が供給されなくなったダム下流では、洪水のたびに砂礫が流されることで河床が粗粒化し、生物相が大きく変化することが知られています。土砂と生物への影響を緩和するために、土砂バイパスなどの再生事業が実施されてきました。本研究では埋没や濁水などによる生物への影響を評価するとともに、実際の土砂バイパス運用による河床環境改善効果を検証し、効果的な土砂供給事業の確立を目指しています。
キーワード:ダム、土砂供給、粗粒化、アユ

中小河川の課題を理解し、現場で使える技術を開発する

全国の河川延長の9割を占める「中小河川」は、国が整備する河川と比較して予算等制約が多いため整備水準が低く被災を生じやすいことや、河道の維持管理が困難な場合もあること、また河道整備によって河川の生物生態系・環境や景観が変わりやすいことなどが課題です。こうした中小河川特有の課題に応え、河道整備や管理が適切にされるための研究開発を行っています。
キーワード:バーブ工、護岸ブロック、断面形状、維持管理

大河川に特徴的な氾濫原環境の保全を目指して

氾濫原は生物多様性保全の観点から重要な景観要素です。現代では河床低下や樹林化の影響もあり、今では河川近傍にわずかに残る領域に限られてしまいました。氾濫原を主な生息場所とする淡水性二枚貝類やタナゴ類など多くの種が絶滅危惧種となっています。本研究ではワンド・たまりに生息する淡水性二枚貝に注目し、氾濫原の劣化機構と修復に関する研究を進めています。
キーワード:ワンド、たまり、氾濫原、淡水性二枚貝

ARRCNEWS14 -ダム下流に土砂を流す-

抜粋記事

ダム下流に土砂を流す

土砂がダムでせき止められると、ダム下流の川底に生育する藻類が剥離されず異常繁茂を起こすなど、不健全な環境となります。そのためダム上流と下流をつなぐトンネルにより、土砂をためることなく通過させる対策が実施されています。ダム下流の生物環境がどの程度改善されるか、モニタリングを継続して変化を捉える取り組みが進められています。
キーワード:ダム、土砂、付着藻類、アユ

ARRCNEWS12 -守るべき河岸の環境機能-

抜粋記事

守るべき河岸の環境機能-ARRC NEWS12より-

平特に中小河川においては川幅に対して河岸の割合が大きくなるため河川環境における河岸の役割は大きくなります。しかしながら、河川改修などにより河岸の環境機能が劣化している例が散見されます。そこで、生物の生息場所・移動経路に適した河岸の物理環境条件を明らかにしました。

キーワード:河川景観、護岸、移動経路、物理環境、湿潤度

ARRCNEWS11 -二枚貝の減少と再生への道-

抜粋記事

二枚貝の減少と再生への道

河川の増水により水が溢れ、浸水する範囲を氾濫原と言います。氾濫原には、淡水性二枚貝の棲家となる独特の水域環境が形成されています。しかし現在、二枚貝は人知れず且つ急速にその姿を消しています。そこで、二枚貝が生息できる氾濫原水域とは、どのような環境なのかを明らかにしました。

キーワード:二枚貝、生息条件、氾濫原、農業用水路、ワンド

ARRCNEWS特別記念号

抜粋記事

河岸・水際域を保全・修復するために

河岸域と水際域は様々な生物の生息場になっています。しかし,川づくりをする上での基礎的な知見は不足しています。ここでは水際域に見られる植物と石礫に着目し、物理環境と生物の生息量との関係について紹介します。

キーワード:多自然川づくり、修復工法、水際植物、石礫

流量、土砂、生物相を回復させ、健全な河川生態系を取り戻す

流量と土砂は河川環境を形成する重要な要素です。近年では、フラッシュ放流や土砂還元などが試験的に実施されるようになってきました。ここでは、ダム下流域を対象にした河川流量管理に関する研究について紹介します。

キーワード:河床環境、フラッシュ放流、アユの摂餌、土砂還元、底生動物

二枚貝の生息する氾濫原環境の劣化と修復

氾濫原は河川が洪水時に氾濫する領域です。現在,氾濫原機能を果たしうる環境は、堤防内のワンドと農業用水路の2つにほぼ限られます。ここでは、2つの氾濫原環境の劣化機構と修復について紹介します。

キーワード:イシガイ目二枚貝、タナゴ類、氾濫原、ワンド

河川環境の情報発信と環境教育

河川環境に関する事業を行う際には、地域住民と行政とが情報を共有することが重要です。ここでは河川環境情報を伝達する上で捉えにくい現象とその理由について整理し、具体的な発信手法の提案を検討しました。

キーワード:河川環境の現象、展示、動画コンテンツ、環境教育プログラム

ARRCNEWS6 -水辺の植物と生き物たち-

抜粋記事

水生生物にとっての水際域の機能

河岸・水際域に生育する植物は,陸上部(陸上カバー)と水中部(水中カバー)に分けられ、両者のバランスが魚類や甲殻類の生息に影響していることがわかりました。特に水中カバーは流速を低減し、水生生物の隠れ場を提供します。

キーワード:水際植物、魚類の生息場、自然河岸、コンクリート護岸

ARRCNEWS5 -流量変動 河川のダイナミズム・生物の営みを取り戻す-

ARRCNEWS4 -パラサイト・マーカー 生き物をつなぐ寄生虫-

抜粋記事

寄生虫から川の生態系を見る

寄生虫の多くは、一生のうちに数種類の決まった生物の間を移動する性質を持っています。寄生虫を指標として魚類の移動を調べたところ、幼魚のうちから長距離を移動し、広い範囲を生息場所としていることが明らかになりました。

キーワード:指標寄生虫、生物タグ、魚の移動

ARRCNEWS3 -Educational and Ecological EXHIBITION
実験河川における研究解説パネルの開発-

抜粋記事

実験河川における研究解説パネルの開発

自然共生研究センターでは、多くの人々に対して常時、情報を整理して伝達することができる”展示”を研究テーマの一つに掲げています。今回の特集では、河川に関する研究をわかりやすく解説するために行ったパネルの開発について紹介します。

キーワード:展示、ハンズ・オン、利用者参画

ARRCNEWS2 -河原らしさを守る 河原植物と外来植物-

抜粋記事

河原植物と外来植物

河原植物の衰退を招いている主要な原因の一つとして、外来植物の影響があげられます。外来植物と河原固有の在来植物との関係について調べたところ、外来植物の選択的な除去を行わない限り、外来植物が優占する植物となってしまうことが分かりました。

キーワード:河原植物、在来植物、外来植物、河原の保全

ARRCNEWS1 -魚の棲む川へ。「瀬と淵」、そして「水辺の植物」-

抜粋記事

魚の生息場所と生息量の関係

魚類の生息場所を類型化し、これらと魚類の生息量との関係を調べたところ、「早瀬」「淵」における生息量は、「平瀬」「とろ」に比べて有意に大きく、実験河川のような小規模河川でも瀬と淵の生息量に及ぼす効果が確認できました。

キーワード:川の形態、瀬淵構造、魚類の生息場