実験河川を活用して河川における自然環境の保全・復元方法について調査・研究を行っております

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生物の移動経路としての河岸の機能

 両生類、爬虫類および甲殻類の多くは、水域および陸域の両方を生息場所としています。このため、水域と陸域をつなぐ河岸は、生物が移動しやすい形状であることが重要です。そこで、これらの生物にとって、どのような河岸法面が登坂しやすいか明らかにするため、ヌマガエル、クサガメおよびサワガニを用いた登坂実験を行いました。本実験では約50cm四方のパネルを用い、パネル下部に生物を配置し、パネル上部に生物が登坂できた場合を成功とみなしました。実験パネルは、表面形状をコンクリート滑面、砂礫を混合した凹凸面(砂(75μm〜2mm)、細礫(2〜4.75mm)、中礫(4.75〜53mm)、大礫(53〜256mm))の計5種類とし、勾配を2割(約26.6度)、1割5分(約33.7度)、1割(45度)、5分(約63.4度)の4種類に変化させ、種ごとに全20ケース行いました。
 実験の結果、いずれの生物もコンクリート滑面では、勾配にかかわらず登坂成功率が減少し、1割以上の急勾配では全く登坂できませんでした。一方、凹凸面になると登坂成功率が著しく向上しました。ヌマガエルは、凹凸面が砂、細礫、中礫であれば、勾配に関係なく登坂しました。クサガメは、凹凸面が細礫で勾配が1割5分以下であれば登坂できましたが、大礫になると著しく成功率が減少しました。また、サワガニは、凹凸面が中礫や大礫で、1割の急勾配でも登坂成功率が高いことがわかりました。このように、生物の種類によって登坂の可否が異なるのは、各生物の登坂方法や外部形態の違いが関係していると考えられます。今後は、これらに着目しながら、滑面の凹凸形状などを工夫して、他の生物を用いて実験し、生物が移動しやすい河岸づくりを進めていく予定です。

上野公彦
(独)土木研究所 自然共生研究センター




水域と陸域をつなぐ河岸


実験イメージ



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