実験河川を活用して河川における自然環境の保全・復元方法について調査・研究を行っております

English サイトマップ お問い合わせ
独立行政法人 土木研究所 自然共生研究センター サイト内検索



河辺に広がるマダケ林

 タケ類の地下茎は堤防の保護に適しているため、各地で水害防備林として河川沿いに植えられてきました。こういった竹林では同時に、竹材やタケノコを生産するために継続的な施業が行われてきました。しかし近年は輸入品やプラスチック製品の普及、労働力不足などから生産意欲が失われ、多くの竹林が管理放棄されて竹の密度が高くなり、林内の植物種の組成が著しく単純化するとともに、このような竹林が地下茎によって分布を拡大するという問題が起きています。
 愛知県の中央部を流下する一級河川 矢作川(やはぎがわ)の河辺に広がる、代表的な水害防備林であるマダケ林で、竹の密度と林内の光条件、林内の植物種の関係を調べました。すると竹林内の光条件は、竹の太さや生死に関わらず、竹の密度が高くなるほど悪くなることが分かりました。竹の本数が約4本/1m2のマダケ林では、林内に数種類の木本実生しか見られませんでしたが、竹の本数が約2本/1m2のマダケ林では、明るい落葉広葉樹林で見られるようなホウチャクソウやニリンソウ、ウラシマソウといった草本など多数の種が確認できました。竹の本数が1本/1m2以下のマダケ林では林内の出現種数はさらに増加しましたが、陽地性の一年生草本や帰化種の侵入も認められました。
 人との関わりによって成立し、維持されてきたマダケ林では、多すぎず少なすぎず適切な竹の密度を保つことで、河辺の植物種の多様性を高めることができるようです。

洲崎燈子
豊田市矢作川研究所





マダケ林は矢作川の河畔で全域にわたって分布を広げている。



PAGETOP↑
国立研究開発法人 土木研究所
自然共生研究センター

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町官有地無番地
TEL : 0586-89-6036 FAX : 0586-89-6039
Copyright © PWRI, Japan. All Rights Reserved.