実験河川を活用して河川における自然環境の保全・復元方法について調査・研究を行っております

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Q 季節によって、
魚類のすみかは
どのように変わるのでしょうか。
A ワンドと本川の魚類生息個体数を比較した結果、
水温の低下とともにワンドの生息数が
多くなることがわかりました。


 ワンドとは、河道内にある池状の水域で、本川の水位変動により接続状況が変化します。本川に比べ流れの緩やかなワンドは、魚類にとって本川の水質汚濁時や洪水時の避難場所になるとともに、仔稚魚の生育の場としての機能もあります。このように本川と異なる自然環境を創出するワンドは、河川の生物多様性に寄与しています。
 平成13年度は、実験河川における魚類の生息状況をモニタリングする目的で、実験河川のワンド及び本川において各月1回の魚類調査を行いました。その結果をもとに、ワンドと本川の関係について考えてみましょう。
 一般に魚類は、水温の低い冬季において、流れが緩やかで水深の大きい淵などに多く生息していることが知られています。そこで、実験河川のワンドと本川で、魚類の個体数と水温の関係について、それぞれを比較してみました。その結果、ワンドでは水温が低下するにつれて魚類の個体数が増加しました。反対に、本川では水温の低下とともに個体数が減少しました。これは、水温の低下する冬季においては、魚類の採餌量、運動量が減少するため、流速が小さく、水深が大きいことにより外敵からも比較的安全なワンドなどへ魚類が移動するためだと考えられます。
 このように、ワンドは多くの魚類にとって重要なハビタットになっています。当センターでは、今後もワンドの調査・研究を継続的に行い、ワンドと生物の関係について明らかにしていく予定です。



担当:力山 基

■ 実験河川のワンド ■ 調査風景
■ ワンドと本川の水温と魚類個体数の関係
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