実験河川を活用して河川における自然環境の保全・復元方法について調査・研究を行っております

English サイトマップ お問い合わせ
独立行政法人 土木研究所 自然共生研究センター サイト内検索



Q 水際の明るさの違いにより、
魚類の生息状況には変化が見られるのでしょうか?

A 明るすぎず、また暗すぎない水際を
魚類は好む傾向にあります。


● 目的

 代替工作物による水際植生の機能回復の可能性については、成魚を対象にしたこれまでの調査で、水際植生の水中カバー効果(流速の低減、休息場所・産卵気質の提供、捕食圧の低減)の機能を木杭(間伐材)により再現できる可能性があることが明らかになっています。
 本年度は、成魚を対象に水際植生の水上カバー効果(捕食圧の低減、日陰の創出)の機能を遮光シートで覆うことにより再現し、成魚の応答を調査しました。

                 
遮光され、照度が下がっている様子

● 調査方法

 実験河川Aの水際に木杭と遮光性の異なる4種の遮光シート(A(暗い)〜D(明るい))を設置し、魚類の生息量について調査しました。調査期間は8月〜9月。

■ 処理区の設定イメージ図
    拡大表示

● 結果と考察

 その結果、水際の明るさの違いにより魚類の生息状況に差が現れ、明るすぎず、暗すぎない状態(中間的な相対照度)を魚類は好む傾向があることが明らかになりました。
 処理区C(中間2)の個体数が最も多く、BからAへと次第に暗くなるに従い個体数も減り、また最も明るいDはCより少ないという状況でした。
 こうしたことから、代替工作物により水際植生の水上カバー効果を復元するためには、遮光して単に暗くするだけではなく、明るさの調節という点が重要であることが明らかになりました。


担当:新田 良彦・河口 洋一・齊木 雅邦


                 
魚類の個体数の比較
    拡大表示


PAGETOP↑
国立研究開発法人 土木研究所
自然共生研究センター

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町官有地無番地
TEL : 0586-89-6036 FAX : 0586-89-6039
Copyright © PWRI, Japan. All Rights Reserved.