実験河川を活用して河川における自然環境の保全・復元方法について調査・研究を行っております

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Q 流量と生物の関係を、体験を通じて学ぶには、
どのような方法があるでしょうか?


A 流量の異なる河川で魚類採捕を行い、
生息量の違いを体験してもらいました。
環境教育プログラム
「水の量がことなる川で、魚を採ってみよう!」


● はじめに

 河水は人間だけでなく、川に依存する様々な生物にとって重要な資源となっています。実験河川には同じ空間形状を持つ河川が2つ設置されていますので、この特徴を利用して、流量の差異による生物生息量の違いを調査することができます。

● 方法

 プログラムの前々日より、実験河川BとCを、流量の少ない川(40リットル/s)と多い川(120リットル/s)に設定しました。魚類採捕はB・C河川の下流蛇行ゾーンで調査区間を50mとしました。採捕開始の1時間前に、仕切り網で生物の移動を区分して、タモアミを用いて各々15分間の採捕を行いました。

● 結果

 プログラムは子供達を2つのグループに分けて行いました。流量の多い川に棲んでいた魚は1班が8種、2班が5種、少ない川では1班が5種、2班が4種でした。この結果からは、流量の違いによる魚類の反応を確認することが難しかったのですが、採捕前の目視では流量の多い川で多数の個体を確認できました。今回は流量が多いと水位が高くなるためタモアミでの採捕が難しく、少ないと容易であったことが調査結果に影響したと考えられます。

● まとめ
 今回のプログラムでは、河水が人間だけでなく魚にとっても重要な資源であることを体験してもらいました。また、実際の河川でも人間活動により水量の少ない河川が存在することや、世界ではまだ多くの人々が水不足に直面している実態を伝え、河水が減少する原因について自分たちの生活と関わりから考えてもらいました。

● 補足

 本プログラムは毎年夏に催している「夏休み親子教室」の一環として、地域住民30名の親子に参加してもらいました。日頃あまり意識することのない水の重要性について、親子で考える時間を過ごすことができたのではないかと思います。


担当:真田 誠至


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