国立研究開発法人 土木研究所

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横浜駅西口地下街等関係事業所との浸水対応検討のためのワークショップの開催
~SIP 課題7-2「首都圏複合災害への対応・減災支援技術」の活動報告~

 土木研究所 水災害・リスクマジメント国際センター(ICHARM)は、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「レジリエントな防災・減災機能の強化」分野において、 「地域連携による地域災害対応アプリケーション技術の研究開発」の研究課題の一つである「首都圏複合災害への対応・減災支援技術(研究代表機関:工学院大学、期間:平成26~30年度)に 共同研究機関として参加しています。本課題では、事前に策定した行動ルールに基づき、地震・水害関連情報を地域の事業所等の関係者に速やかに配信し、 円滑な災害対応を支援するためのアプリケーションの開発を行っています。 平成28年度までは新宿駅と北千住駅を対象として活動を行い、平成29年度からは水平展開として横浜駅西口地区での活動を開始しました。 横浜駅西口地区は県管理河川である帷子川沿いに立地しており、平成29年6月に横浜川崎治水事務所から発表された帷子川の最大規模浸水想定区域図では、 一帯の浸水が想定されています。

 平成29年9月26日午後に、横浜駅西口共同防火防災管理協議会を構成する横浜駅西口地下街及び同地下街と接続する主要な事業所とともに、 帷子川浸水時の災害状況をイメージし、浸水時の対応と課題を検討するためのワークショップを開催しました。 当日は、台風上陸から避難準備・高齢者等避難開始・避難勧告・避難指示・出水・復旧という一連のタイムラインに沿って、 各社で行うべき情報収集・浸水防止・避難誘導・営業継続判断などの対応について議論するとともに(図1・2)、 災害対応支援アプリケーション(例えば図3)による支援のニーズについての意見交換も行いました。ワークショップでの浸水シナリオの想定は土木研究所ICHARMが担当しており、 アジア航測株式会社の協力により駅周辺の3次元空間モデルを用いた浸水状況の表現(図4)を行い、リアルな災害イメージの共有を目指しました。 今後は、動的な氾濫表現も活用したワークショップ手法も検討してきたいと考えています。(担当:ICHARM 主任研究員 大原美保)

図1 行うべき対応・課題の共有 図2 注意を要する箇所の議論 図3豪雨情報配信アプリの例
図1 行うべき対応・課題の共有 図2 注意を要する箇所の議論 図3豪雨情報配信アプリの例
(Xバンドレーダー雨量データに基づき、 設定基準を超える豪雨時にメールで知らせるシステム(東京電機大にて開発))
図4 3次元空間モデル上での浸水イメージの想定
図4 3次元空間モデル上での浸水イメージの想定

関連サイト:

水災害・リスクマネジメント国際センター(ICHARM)
http://www.pwri.go.jp/icharm/index_j.html