国立研究開発法人 土木研究所

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山口嘉一(理事)がダムの維持管理と計測に関する講演を実施しました

 平成30年6月28日(木)、shamen-net研究会セミナー「メンテナンスを考える」―社会インフラのモニタリング―(開催場所:主婦会館プラザエフ(東京都千代田区))において、 当所理事の山口嘉一が「ダムの維持管理と計測」と題した特別講演を行いました。

 「shamen-net研究会」は、GPS*1/GNSS*2により計測される変位データを誤差評価した計測情報をインターネットで配信するという計測サービスの技術的研鑽と建設事業、防災事業等への普及活動を通じて、 社会に貢献することを目的とし平成17年に設立され、本年で14年目を迎える研究会です。また、本研究会は活動の一環として平成23年から今回と同様のセミナーを開催しています。

 今回のセミナーでは、山口の特別講演(写真1参照)のほか、西垣 誠 岡山大学名誉教授、清水則一 山口大学大学院教授による特別講演、 さらには3名の専門家によるGPS/GNSSの地すべり災害のモニタリングや地盤沈下観測への適用等を主題とした最新事例についての発表が行われました。 なお、事務局より、120名以上の参加者があったとの報告がありました(写真2参照)。

 当方の講演の構成は、以下に示すとおりです。

  1. ダム機能とダム型式
  2. 管理ダム数の推移と維持管理の重要性
  3. ダムの維持管理の特徴と方針
  4. ダム総合点検の概要(計測を含む)
  5. 総合点検で明らかになった技術的課題と調査事例(計測を含む)
  6. ダダムの長寿命化技術

 本講演では、ダムに関る技術者以外の方々が多く参加していることも考慮し、まずはダムの機能や型式について簡単に説明しました。 その後、他の土木構造物と同様、完成後長期間経過したダム数が増加しており、効果的かつ効率的な維持管理が必要である現状について述べました。 また、堤体や基礎地盤等の土木構造物、機械設備、電気通信設備、貯水池などの多くの施設・設備から構成されるダムの維持管理上の特徴や留意点について説明した後、 ダム施設の長期供用を目指した維持管理にために国土交通省により制度化された「ダム総合点検」について、2013年に発刊された要領に従って解説しました。 この際、特に、安全管理のための計測について力点を置きました。また、ダムの安全管理のための計測に関する新技術の導入について、土木研究所における研究成果を中心に紹介しました。 最後に、ダムの長寿命化を達成するための技術として、健全度診断技術、保全対策技術及びダム再生技術などについても紹介して、講演を締めくくりました。

 山口は、長年ダムに関する研究開発や技術支援に携わってきましたが、本研究会のような専門性の高いセミナーにおいて、国土交通省の施策やそれの裏付けとなる土木研究所の研究成果に基づく 講演を行えたことは大変光栄なことと考えています。今後も機会があれば、同様な場で土木研究所の研究成果を積極的に発信していきたいと考えています。

1:「全地球測位システム(Global Positioning System)」のことで、受信装置を使い、アメリカ合衆国が打ち上げた多数の人工衛星から電波を受信し、各衛星からの電波の到達時間を元に距離を計算することで、受信装置の位置を測定するシステム

2:「衛星測位システム(Global Navigation Satellite System)」のことで、複数の測位衛星から時刻情報つきの信号を受信し、地上での現在位置を計測するシステムの総称

写真1 研修会における講演の状況
写真1 研修会における講演の状況
セミナー会場の状況
写真2 セミナー会場の状況