WMO (世界気象機関)の第12回水文委員会 (CHy)総会



全面ガラス張り、9階建てのWMO本部ビル



会議風景 (WMO本部ビル1階の国際会議場)
日時:2004年10月19-29日
場所:WMO本部、ジュネーブ (スイス)
内容

WMO (世界気象機関)の第12回水文委員会 (CHy:Commission of Hydrology) 総会が、10月19日から29日にかけてジュネーブのWMO本部において開催され、寺川本部長と吉谷上席研究員が日本政府代表団の一員として出席しました。4年に1回開催される本会議には、加盟187か国 (地域) 中52カ国の実務水文機関 (National Hydrological Service) 及び関連国際機関等から、約150名が参加し、水文観測、水文・水資源データ管理及び水文予測等の分野においてWMOが主導しているさまざまな国際的な取り組みについて、4年間の活動のレビューと今後4年間の活動計画について、議論が行われました。

会議の一環として企画された講演のセッションにおいて、寺川本部長が「Outline of GFAS」と題して (社) 国際建設技術協会が事務局となって推進している国際洪水ネットワーク (IFNet) 及びその中核的なプログラムのひとつである国際洪水警報システム (GFAS) ならびに土木研究所ユネスコセンターの設立準備状況について紹介しました。 (>>プレゼン資料はこちら)

また、作業部会メンバーの一人として、金木氏 (現 中部技術事務所長) がまとめた水文データ管理に関する現状と動向に関するレポートについて、作業部会リーダーのシクラマノフ氏 (ロシア連邦水文研究所長) の概要紹介を受けて、吉谷上席研究員より補足説明を行いました。本レポートは出版の価値ありと高く評価され、今後査読プロセスを経て、WMOのオフィシャルな技術レポートとして印刷・配布されることになりました。

他の国際機関との連携に関する議事では、UNESCOとWMOの共同プログラムを目指して準備が進められている国際洪水イニシアティブ (JUWFI:Joint UNESCO WMO Flood Initiative) にかかる今後の取り組み方針について議論が行われました。2005年に設立予定の土木研究所ユネスコセンターは、UNESCOとWMOの (今後の) 合意形成をふまえ、このプログラムの事務局機能を担う旨、議事録に盛り込まれました。

最後に、今後4年間の水文委員会の運営に関して、正副議長の選挙が行われ、オーストラリア気象局のブルース・スチュワート氏が議長に、またガーナ水文サービス局のジュリウス・メンサ氏が副議長に選出されました。また、正副議長を含む9名の助言委員会メンバーが決まり、吉谷上席研究員が水災害軽減をテーマとする作業部会メンバーの一員として登録されました。ユネスコセンターでは、アジア地域委員会の専門家として登録されている水理水文チーム深見上席研究員の活動も含め、今後ともWMO水文委員会の活動に積極的に参画していく予定です。

 
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