新潟試験所ニュース

【シリーズ新潟試験所の歴史(その3)】

 その後、昭和59年度には構内に低温実験棟が完成し、タイヤのすべり摩擦、雪崩の模型実験等に多目的に利用されています。さらに、昭和61年度には路面のすべり摩擦抵抗の測定のための観測車を購入し路面すべり対策研究の充実を図りました。また、試験所構内通路の無雪化をめざした地下水消雪設備が整えられました。
 昭和62年3月には、解析業務の高速処理化を図るために中央処理装置としてのスーパーミニコンの導入と本所の共用電算機のオンライン化が進み、現在では電子メール等の機能強化が図られています。
 昭和63年度には、昭和60年度の集落を対象とした雪崩対策事業の創設及び昭和61年1月の新潟県能生町棚口で発生した表層雪崩災害等を契機とした集落雪崩対策の研究課題が加わり、集落雪崩の被害予測手法や雪崩防護施設の設計に関する調査を開始し現在の雪害部門に拡充されました。これらの試験研究成果は「集落雪崩対策工事技術指針(案)(平成8年2月)」に反映されています。
 平成2年度には創立30周年を迎え、7月に新井市総合文化ホールで記念式典が行われました。また、猿供養寺地すべり試験地に加え、1月に沖見地すべり試験地を設け、融雪地すべりの機構解明のための地すべり動態観測を開始し、平成6年に融雪観測施設を設置する等の充実を図ってきました。

 平成4年11月には研究棟が増築され、その記念として、米国に株分けされた英国の国立物理学研究所に残っているニュートンが万有引力の法則を発見するきっかけとなったリンゴの木を日米友好の証として土木研究所に送られたうちの1本が試験所に植樹されました。DNDレーダも新研究棟に移設されました。
 平成7年度から関係各県の協力を得て雪崩動態観測をスタートさせ、翌年から積雪層の弱層の探査やその形成・発達に関する調査研究を行い、雪崩発生予測手法の精度向上を主たる目標とした取り組みを行っています。
 また、平成8年度より地すべり地の地下水排除工の機能低下対策の調査研究を開始するとともに、平成9年度には一般国道18号に冬期路面調査試験地を設置し、路面状態が交通の流れを指標とする道路機能への影響の調査を開始し、平成10年度を初年度とする新道路技術五ヶ年計画の重点課題の推進に寄与することとしています。1年後の平成12年4月には40周年を迎えますが、社会のニーズを受け止めながら、現地のフィールドで地域に密接した雪に関する試験研究機関としてますます発展していきたいと考えています。

(文責:清水)
【ニュートンのリンゴの木観察日記】

 今年度の冬は、降雪量も平年並み(1961年〜1990年の30年平均値)との気象台の予報を受け、ニュートンのリンゴの木も11月末には冬囲いが終わり、すっかり雪に耐える準備を終えました。
 北陸地方では、昭和2年から18年周期で大雪が降ると言われていますが、昭和56年の豪雪から今年がちょうど18年目にあたる年です。大晦日からの寒波で既に新潟試験所構内も1.5mの積雪に囲まれ、すっかり冬景色に様変わりしました。ニュートンのリンゴの木もひっそりと雪の中でたたずんでいます。近年、雪に囲まれたお正月はなかったので大雪の予感がしますが、厳しい冬に耐えて、春先に待望の花芽がでることを祈っています。

(文責:清水)
【職員紹介】
新潟試験所職員全員集合です。よろしくお願いします。
飯田 内田 石田 服部 荒川
高橋 折野 阿部           
清水  丸山  加藤 佐藤 早川
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