雪崩・地すべり研究センターたより

【トピックス】
平成19年度 雪崩・地すべり研究推進協議会総会・合同研修会

総会の様子
 6月28日に妙高市の新井総合コミュニティセンターで上中越地域の8市町の首長で構成する「雪崩・地すべり研究推進協議会」の総会と、妙高地区治水砂防協会との共催による合同研修会が行われました。
  総会には、会長の入村妙高市長、岡村川口町長、および来賓の本郷湯沢砂防事務所副所長、塩崎妙高砂防事務所所長が出席されました(写真上)。本年度より年1回の合同研修会に加え、会員市町持ち回りによる研修会の実施が承認されました(「研修会開催のご案内」参照)。なお、議事のあと花岡所長が、最近の当センターの取り組み等を紹介しました。
合同研修会の様子
 合同研修会では土砂や雪崩に関わる行政職員や関係者が約120名参加し、新潟大学の西村浩一教授の基調講演と当センター及び妙高砂防事務所による研究発表会が行われました(写真下)。
 基調講演は、同大学教育研究院自然科学系で雪崩の動態等を専攻している西村教授が、以下のような興味深い話をされました。
「雪崩・予測の最前線」
−雪崩予測とハザードマップに関する国内外の研究紹介−

 雪崩の研究方法について、ノルウェーでの人工雪崩実験、スキージャンプ台でのピンポン球なだれ実験、黒部峡谷志合谷での雪崩観測やシミュレーション状況等を紹介されました。今後の展開として、「シミュレーションにより雪崩速度、到達範囲を予測できれば、雪崩ハザードマップの作成が可能」と述べられました。
雪崩シミュレーションの事例

 研究発表会では、雪崩や地すべりに関わる3件の発表が行われました。

「地すべり対策工事の事例−北の入地区」
      (新潟県妙高砂防事務所 上野主査)
「中越地震における地すべり現象」
          (当センター 鈴木交流研究員)
「最近の雪崩研究の成果」(同上 花岡所長)

【転出者挨拶】
交流研究員 鈴木 滋 (H18.4〜H19.8在籍)
 8月末まで1年5ヶ月にわたり交流研究員でした鈴木です。中越地震で再滑動した地すべりの研究と、地下水流下経路に関する研究について携わらせていただきました。また、能登半島沖地震、中越沖地震の発生のおりには、初動調査、技術指導に参加させて頂くなど、交流研究員として貴重な経験と技術交流をさせていただきました。今後はセンターでの経験を生かし、微力ながら土砂災害の軽減に貢献できるよう努力いたします。北陸地整及び新潟県など関係した皆さまには大変お世話になりました。ありがとうございました。
顔写真 現場での写真
【研修会開催のご案内】

「地震による土砂災害の実態と対策に関する研修及び現地見学会−中越地震から3年目をむかえ」(仮称)

主催:雪崩・地すべり研究推進協議会
共催・後援:雪崩・地すべり研究センター,
       新潟大学災害復興科学センター,
(予定)   国土交通省湯沢砂防事務所,新潟県
日時:平成19年10月25日(木)10時〜16時
会場:長岡市中央図書館 視察:中越地震被災地
研究成果報告会
・新潟大学災害復興科学センター
   山岸宏光教授:GISを活用した同時多発的な斜面災害の解明(仮)
   川邊洋教授:地震時の斜面災害のメカニズム
                −台湾,能登半島,中越沖地震を含む(仮)
   渡部直喜講師:地震時における地すべりの特性−地形・地質,メカニズム(仮)
・雪崩・地すべり研究センター
   中越地震による地すべり土塊の挙動(仮)
   中越地震時に再滑動した地すべり地の地形特性(仮)
・国土技術政策総合研究所砂防研究室
   地震時に発生した天然ダムの調査法(仮)



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