「応用生態工学会第18回東京大会」 最優秀口頭発表

揖斐川高水敷掘削後の微地形形成とヤナギ類の定着

2014年9月18日〜20日に開催された「応用生態工学会※第18回東京大会」において、水環境研究グループ自然共生研究センター所属の原田守啓専門研究員が最優秀口頭発表賞を受賞しました。

論文名:揖斐川高水敷掘削後の微地形形成とヤナギ類の定着
筆者:原田守啓(1)、永山滋也(2)、大石哲也(3)、萱場祐一(4)
     (1)水環境研究グループ(自然共生研究センター) 専門研究員
      (2)同グループ 研究員
      (3)同グループ 主任研究員
      (4)同グループ河川生態チーム 上席研究員
※応用生態工学会は、河川、海岸、森林、都市などあらゆるフィールドを対象として、「人と生物の共存」、「生物多様性の保全」、「健全な生態系の持続」を目標として活動する機関である。

概要:
 洪水流下能力の向上を目的とし、河積を拡大するための高水敷掘削が全国各地の河川で計画・実施されている。高水敷の掘削は、比高が高い土地を人為的に切り下げる操作であることから、氾濫原的な環境の創出と両立できる可能性が高い行為であると考えられ、高水敷掘削と同時に、ワンド・たまりといった氾濫原的な環境を河道内に創出する試みも行われつつある。
 本研究は、氾濫原的環境の創出を目的とした高水敷掘削の計画・設計のための知見を蓄積するため、木曽川水系揖斐川をケーススタディとして、掘削後に土砂が再堆積した箇所の堆積物の内容に着目した現地調査を行った。また、調査結果に基づき、土砂の再堆積の過程で生じる水域と陸域の分化過程について考察した。

掘削後に土砂が堆積して形成された
ワンド・たまり群

堆積土砂サンプリング調査結果の一例