大学での助手、海外ポスドクを経て2009年4月に採用されました。もともと高分子化学が専門で、土木分野は全くの初めてでしたが、 新しいことにチャレンジしたいと思って就職しました。
材料資源研究グループ(1~10年目)
化学職として材料の研究グループに配属となりました。馴染みのなかった土木材料の特性とインフラ管理の現場でどのような 課題があるかについて学び、上司と現地調査や技術指導に同行するなどの実務経験を積みました。大学で身に着けた機能材料の知見を応用して インフラ点検に役立てる材料の研究に取り組みました。研究から実装・普及にステップアップする高い壁を感じました。
暗視野におけるコンクリートのクラック検出塗膜
駿河湾内の耐久性試験施設
1年間の在外派遣(6年目)
研究所の若手育成プログラムに採択され、家族とともにスペインで1年間過ごす機会を得ました。カタルーニャ化学研究所で明るく厳しいボスの元、 学生と共にみっちり修行し、二酸化炭素の表面化学反応メカニズム解析、生ハム原木のスライス法、バルで使えるカタルーニャ語などを身に着けました。
シンクロトロンでの二酸化炭素の資源化反応解析
研究室の学生と(左手前が私)
研究企画課(11~13年目)
研究費融資制度創設、新中長期計画策定、組織改編や技術職員の人事など、所全体に関わる組織運営を所掌とする部署に異動となりました。 調整と判断を重ねながら、組織として公の仕事を進める一端を担う経験をしました。この3年間は研究者としての研究の目的と役割を考え直す機会となりました。
就活イベントで学生へ説明している様子
材料資源研究グループ
令和4年4月に元の研究グループに戻ることとなり、「時代のニーズを捉えた新しい研究の柱を立てよ」という命を受けました。インフラに 付加価値を与える研究の立ち上げを目標として、土木の研究に限らずいろいろな分野で活躍している人たちにコンタクトを取り、現場に足を運んで議論を重ねています。
コンクリート補修の経年劣化を現地踏査