● 研究目的
水際植物は水生生物にとって重要な生息場を提供します。しかしながら、河川の整備等で水際の植物が取り除かれ、場所によっては植生の回復が見込めない所もあります。そのような場所では、代替工作物による水際植物の機能復元が求められます。
これまで明らかになった水際植物の機能を、水中カバーを木杭(間伐材)で、水上カバーをベニヤ板で再現させ、図3のような処理区を設定して水生生物の応答をみてみました。
● 調査方法
実験は自然共生研究センター内にある実験河川Aで、10月中旬に各処理区の設定を行い、11月上旬にエレクトリックショッカーによる水生生物の生息量調査を行いました。
● 結果と考察
木杭によって再現された水中カバーの効果は認められましたが、ベニヤ板によって再現された水上カバーの効果は認められませんでした。
水際植物がどのような機能を持っているのか水中と水上で明らかにし、機能に注目した環境の復元を試みました。水上カバーの復元はうまくいきませんでしたが、このような機能に注目した生息環境の改善について、今後も検討したいと考えています。
担当:河口 洋一・齊木 雅邦 |
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■図-1 処理区の設定 |
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■図-2 水際機能の再現区と魚類生息量の関係
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