実験河川を活用して河川における自然環境の保全・復元方法について調査・研究を行っております

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Q 水面下で見えにくい魚類の生息場を
わかりやすく伝える方法はありますか?
A 模型や映像を使うことで
川の中の見えにくい空間を理解することができます。


● 展示で研究成果を伝える

 水面下で繰り広げられる事象を、私たちは直接見ることができません。見えにくい空間や仕組みを理解する方法に展示があります。ここでは模型や映像を活用して、魚類の生息場の空間構造を効果的に伝達する方法について検討しました。

● ネコギギの生息場

 自然共生研究センターでは、これまでネコギギの生息場に関する調査・研究を行ってきました。ネコギギはナマズ目ギギ科に属する純淡水魚ですが、夜行性であること、また生息地や生息数が極めて少ないことから、その存在はあまり知られていません。センターではこれまでの研究成果をもとに、2006河川環境メッセin岐阜において、「ネコギギの生息場」をテーマにした展示を行いました。

● 見えにくい生息場の空間構造を模型で示す

 ネコギギは巨礫下に形成される間隙を好んで生息していますが、陸上からその姿を確認できません。また、図表等に姿を変えた調査データは正確である一方、実感に乏しいのが現状です。そこで、現地調査において実際にネコギギが棲みかとしていた巨礫を実物大の模型で再現し、映像と調査データを組み合わせた展示を構築しました。

● 模型と映像、調査データを合わせ見ることで生息場の状況を実感として理解する

 本展示で作成した模型は、自然河岸が持つ機能について直感的な理解を促すことができると考えられます。この模型をもとに流速や河床材料等の調査データを合わせることで、数値を具体的なイメージとして結びつけることができます。また、映像は生物の存在など水の性質上見えにくい情報を示すだけでなく、昼夜や季節など時間によって変化する情報や、流域〜微生息場などスケールの異なる空間の情報も補完することができます。
 この様に、模型と映像、調査データを合わせて見ることで、水面下の生息場の状況を実感として理解することができると考えられます。


担当:真田 誠至
展示ブースの全景 ネコギギが生息する
巨礫の実物大模型
巨礫下の間隙に潜む
ネコギギの模型
間隙の様子を観察する
ことができます
模型や映像を使って研究成果
を説明します
子ども達にもネコギギの生息場
について学んでもらいました
■図1 水面下で見えにくい魚類の生息場をわかりやすく伝える展示構成
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