研究成果の紹介

デザインで道の駅の魅力を高める
〜地域の観光振興に貢献する道の駅の快適な休憩空間のデザイン技術〜




屋外休憩空間の評価と滞在時間



屋外休憩空間の評価と滞在時間


屋外の空間評価の低かった駅(左)と高かった駅(右)の一例

 近年国内外からのレンタカー観光客が増加し、地域への大きな経済効果を生んでいます。
これに伴い、道の駅がドライブ観光の重要な拠点施設となっています。しかし、道の駅に対する利用者ニーズは、休憩機能に関することが最も高いとされながら、飲食や物販に力を入れる余り、利用者に快適な休憩空間(駐車場、屋外・屋内休憩施設、園地・樹木・花、木陰、イス・テーブル、内部・外部景観、眺望など)を提供していない課題がみられます。
 そこで、休憩施設としての課題や快適な休憩空間の重要性、休憩空間の印象や魅力に影響する道の駅の空間要素やデザインなどを把握するため、道の駅利用者の評価(5段階評価)や利用行動の調査などを行いました。
 調査研究の結果、利用者は道の駅の休憩空間に関して重要視しているものの、休憩空間の快適性についての満足度はとても低いことを把握しました。また、道の駅の休憩空間の印象評価が高いほど滞在時間や消費額が増加するなど、休憩空間の魅力が駅全体の活性化や魅力に大きくつながっており、道の駅の再訪率にも影響することが分かりました。
 これらのことから、道の駅の空間の魅力向上は、当該地域のエリア観光の競争力の向上に貢献すると考えられます。また、休憩空間の印象や魅力に影響する具体的な空間要素やデザインとそれらの関係性、調和などについて整理を進めていくことが必要です。
 これらの研究成果を基に、ドライブ観光における道の駅の役割や快適な休憩サービスの重要性、道の駅の魅力向上や経営に貢献する屋内外の休憩空間のデザイン技術についてとりまとめたガイドライン等により、道の駅に対する技術支援を行っていきます。

(お問い合わせ先:寒地土木研究所 地域景観ユニット)