新潟試験所ニュース

【実験施設紹介シリーズ低温実験施設】

新潟試験所では雪崩対策や道路雪害対策に関する研究を行っており、雪崩対策施設設計のための模型実験や雪氷路面におけるタイヤ性能試験のために低温実験施設を活用しています。
 施設本体は昭和56年度に一期工事として、大型及び小型すべり実験室の約68uと器材室・機械室が、さらに昭和59年度に写真撮影室と雪保存室の約41uと計測室が完成しました。その後、環境対策として平成9年度には規制対象となったフロンガスを使用していた冷凍設備を、代替フロンガス対応の設備に更新しました。

図-1 低温実験室概略図 写真-1 大型すべり実験装置
図-1 低温実験室概略図 写真-1 大型すべり実験装置

写真-2 雪崩模型実験状況
写真-2 雪崩模型実験状況

各部屋は個別に−25℃まで冷却可能であり、実験目的により温度調節ができます。大型すべり実験室には、各種タイヤの発進時すべり摩擦係数を測定する大型すべり実験装置が設置してあります。また、大型すべり実験室と小型すべり実験室とを跨いで雪崩実験用斜面を設置してあります。その他、器材室には大型すべり実験装置を制御する設備、機械室には低温実験室を冷却するための設備があります。
 現在は、主に雪崩対策施設に関する実験のために施設を利用しています。実験内容としては、あらかじめ作成した各種雪崩防護施設の模型を実験用斜面下部に設置し砕氷機で作成した試料を流下させて模型に衝突させます。この際には高速度ビデオカメラと呼ばれる、1,000分の1秒単位で撮影可能な装置等を用いて流下試料の挙動を記録し、実験後に詳細な分析を行います。
 これらの実験により雪崩減勢工や雪崩誘導工などの効果を定量化し、雪崩対策施設の構造や配置についての検討を行っています。


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