新潟試験所ニュース

【試験地の風景】
その2 白馬村・八方尾根

 八方尾根は1998年の長野冬期オリンピックでアルペン・ジャンプ競技が行われた場所で、冬はスキー場で有名ですが、冬以外では唐松岳、八方池や自然研究路など登山やトレッキングコースとしても知られています。
 下の写真で、右にスキーコース、下にジャンプ台がみえますが、矢印で示した凹状の地形がある斜面では雪崩が発生します。この斜面では雪崩映像の観測を実施してきており、大きな表層雪崩が数回発生しています。当地は冬期でもスキー場施設を利用して発生区直近まで到達できることから、昨冬から発生区近傍での気象・積雪断面観測や雪崩の震動、衝撃力の計測を開始しています。

八方尾根全景(12月)
八方尾根全景(12月)

平川との合流点より発生〜堆積区を望む(1月)
平川との合流点より発生〜堆積区を望む(1月)

気象観測地点より雪崩発生区上部を望む(8月)
(8月)
気象観測地点より雪崩発生区上部を望む(1月)
(1月)
気象観測地点より雪崩発生区上部を望む

(文責:秋山)

【実習生の感想】

 長岡技術科学大学から実習にきていた川島君より感想が届きましたので、ご紹介します。

 「今回、地すべり粘土の強度を調べることを目的としてリングせん断試験を行いました。大学でも地すべりに関する研究をしていましたが、異なる環境で研究をすることはとても
不安でした。実験当初はいろいろな問題が発生したため、なかなか有効なデータが得られない時期がありましたが、試行錯誤を繰り返し、また新潟試験所の方々にも大変有意義なご意見、ご助言を頂いて実験も上手くいくよ うになり、無事終了することができました。 二ヶ月間という短い実習期間ではありますが、自分で試行錯誤して実験を行うことができたことはこれからの研究活動においてとても貴重なものになると思います。また、地すべりに関する理解も深まり、非常に充実した研究をすることができました。
 新潟試験所で学んだことを大学での研究や四月からの社会生活に活かしていきたいと思います。」川島健介


【部外研究員の招聘】

 雪害部門において、1月13日から3月31日までの期間、高度な専門的知識をお持ちの2名の部外研究員を招へいすることとしました。
  
遠藤 八十一(えんどう やそいち)氏

遠藤八十一 顔写真招へい研究の名称:「雪崩発生予測の精度向上のための降雪深推定手法に関する研究」

略歴:雪崩発生機構に関する研究で1983年北海道大学より学位(理学博士)授与、北海道大学低温科学研究所助手、農林水産省森林総合研究所十日町試験地主任(2002年退職)。現在(社)日本雪氷学会雪崩分科会長


 

渡邊 洋(わたなべ ひろし)氏

渡邊洋 顔写真招へい研究の名称:「熱エネルギー収支に基づく路面状態予測モデルの適用性に関する研究」

略歴:道路雪氷災害に関する研究で1999年福井大学より博士 (工学)授与、山形大学工学部助手等を経て2003年10月から(株)水工工学研究所主任研究員

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