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雪崩・地すべり
研究センターたより
季刊 ・ 第36号 土木研究所 雪崩・地すべり研究センター
2006年2月発行 Snow Avalanche and Lndslide Research Center


【新年の挨拶】

センター所長  花岡 正明

雪崩・地すべり研究センター職員一同

謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 四月に組織改編した私どもの新生・雪崩・地すべり研究センターは、中越地震への復興を急ぐ被災地の安全に関わる技術的な支援と今まで未解明であった地震が地すべりに与える影響を中心に、関係機関と連携しつつ積極的に調査・研究を展開してまいりました。12月初めからの記録的な豪雪で家屋落雪による多数の犠牲者に加え、雪崩の多発及び危険性から住民避難および交通路の通行不能による長期にわたる集落孤立が、大きな社会的な問題となり、私どもも雪崩の実態及び集落への危険度の評価のため現地及びヘリコプターから調査しています。
 一昨年の山古志村に続き、栄村秋山郷に象徴される我国の代表的な中山間地に自然の猛威がもたらす深刻な影響が、集落の存続さえ脅かしているかに思えます。
 私自身は12月当初から毎朝の宿舎の雪かきと屋根からの雪降ろしを年内に2回行い、正月明けの週末は日昼を屋根の上で過ごすこと時間が多くなり、あわただしい冬です。
今年も奇しくも地元新潟県が次々と直面する課題に対して、職員一同、全力でに取り組んでまいりますので、ご支援・ご指導をよろしくお願いいたします。

 

【トピックス】

■記録的な豪雪と雪崩災害

 すでに各地の斜面で数多くの雪崩及び亀裂や雪じわ等が発生していますが、特に12月27日に湯沢町土樽地区では魚野川を埋塞し対岸の県道を埋没させる大規模な雪崩が発生しました。また、我国の災害史上で特筆される新潟県能生町(現糸魚川市)柵口地区の雪崩災害から20年目にあたりますが、例年になく積雪量が多く積雪深の推移はよく似ているようにみえます。当センターの観測カメラ映像を役場へ提供できるよう検討しています。


6km北のアメダスデータ

 

■妙高市教育委員会講演会

 12月7日妙高市理科教育センター主催の研修会が上越地区の小中学校教員13名が参加し当センターで行われました。雪崩の模型や学習室等を視察後、花岡所長が地すべり・雪崩関わる防災教育の進め方を紹介し、低温実験室では雪崩の実験等を興味深く見ていただきました。

 

■JICAネパール国研修生来訪

 12月8-9日JICAの技術援助「ネパール自然災害軽減支援プロジュクト」から派遣された研修生へ講義を行いました。治水砂防局のゴビンダ ポウデル氏が来所し、丸山主研が地すべりの解析方法について講義を行い、移動中には松之山地すべり地等を調査しました。

 

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