Appl Tree
The Newton Apple Tree
雪崩・地すべり
研究センターたより

季刊 ・ 第41号

土木研究所 雪崩・地すべり研究センター
2007年6月発行 Snow Avalanche and Lndslide Research Center


【トピックス】
写真1 中野屋地区の調査状況
写真1 中野屋地区の調査状況

写真2 砂防学会調査団
写真2 砂防学会調査団
平成19年能登半島地震に伴う地すべり調査

 3月25日9時40分能登半島沖で地震(マグニチュード6.9)が発生し、半島北西部を中心に土砂災害が発生しました。当センターは29、30日に緊急現地調査を実施し、さらに4月10、11日には砂防学会の調査団(団長:林拙郎三重大学教授)に参加しました。
 当地震では主に斜面崩壊や落石が発生し、中越地震で発生した規模や移動量の大きい地すべりは確認されませんでした。今回は中野屋、鹿磯、熊野地区などを合同踏査の後、地すべりを中心に、孔内傾斜計がすべり面付近で破断したと報告された「坂尻地区(旧門前町)」等を詳しく調査しました。(砂防学会誌7月号に投稿中)5月6日に急逝されました故近藤観慈団員のご冥福を謹んでお祈りいたします。

写真3 富士スカイライン被災状況
写真3 富士スカイライン被災状況
富士山スラッシュ雪崩

  3月25日、富士山南西麓でスラッシュ雪崩(多量の水分を含んだ雪崩)が発生し、富士宮口新5合目の食堂及び駐在所や富士山スカイラインの九十九折(つづらおり)区間を直撃しました。大沢川では富士砂防事務所の土石流監視用CCTVカメラに流下状況の映像が撮影されました(富士砂防HPで見れます)。当センターでは3月29日と4月4、5日にヘリコプター及び現地調査を行い、流下範囲と痕跡・デブリ・被災状況などを確認し、技術指導しました。


学会等における研究発表

 最近の主な研究成果の発表です。

○ゆきみらい2007in会津(2/8〜10)
・平成18年豪雪による雪崩の特徴とレーザ計測等による動態解析(伊藤、花岡、本間)

○日本雪氷学会北信越支部(5/12、信州大)
・2007.3.25富士山南西麓で発生したスラッシュ雪崩災害と大沢川で撮影された実態映像(花岡、中野、岩崎)
・常時現地観測による雪崩映像の解析手法の検討(中野、花岡、伊藤)

○砂防学会研究発表会(5/23-4、福井市)
・レーザー計測を用いた雪崩斜面の積雪及び実態解析(花岡、伊藤、本間)
・2004年新潟県中越地震で発生した南平池谷地すべり機構の検討(村中、花岡、丸山、鈴木)
・常時現地観測による雪崩映像の解析手法の検討(ポスター:花岡、伊藤、中野)
・レーザー計測を用いた積雪分布解析(ポスター:本間、花岡)


写真4 現地観測の実習
写真4 現地観測の実習
JICA研修生来所

  4月25、26日に JICA火山学総合土砂災害対策研修が当センターで行われ、3名の技術者が来所しました。地すべり対策施設 設計の講義及び演習(丸山総括主研)、妙高砂防管内の地すべり地調査実習、地すべり資料館及び中越地震被災地見学を行い、妙高砂防と合同歓迎会で技術的交流を深めました。


理事長現地視察に来所
写真5 現地対策本部会議(妙高市)
土砂災害防災訓練

  長野県大町市八坂地区(5月27日)、妙高市平丸地区(6月17 日)の土砂災害の防災訓練にそれぞれ花岡所長がアドバイザーとして参加し、講演を行いました。


白馬八方地区で大規模な煙型雪崩


  2007年1月9日7時すぎ、常時観測中の白馬八方地区において大規模な雪崩が発生し、平川を横断し、対岸の斜面を標高差200m以上駆け上がり、雪崩常時観測カメラに衝突しました。最大速度は時速94km、最大雪煙高190mと判読されましたが、特に被害はありませんでした。
煙型雪崩の状況




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