Appl Tree
The Newton Apple Tree
雪崩・地すべり
研究センターたより

季刊 ・ 第42号

土木研究所 雪崩・地すべり研究センター
2007年9月発行 Snow Avalanche and Lndslide Research Center


【トピックス】
平成19年(2007年)新潟県中越沖地震における地すべり災害現地調査
中越沖地震の震度と主な土砂災害の発生箇所

 7月16日の新潟県中越沖地震では、震度6強に見舞われた柏崎市を中心に斜面崩壊及び地すべりなどによる甚大な被害が多発しました。当センターでは、翌日17日から緊急現地調査を行いました。

(1) 国道8号長岡市大積(おおづみ)地区
国道8号の地すべりによる崩落に対し、国土交通省の要請により、耐震研究グループ振動チームとともに、早期復旧のため現場で技術指導を行いました。
長岡市街地から西方約12kmの柏崎市との境界に近い大積地区(震央から南東約20km)で、県管理河川に面した緩斜面において、地震発生時に斜面のほぼ上端より地すべりが発生し、90mにわたり路面及び路肩が斜面方向に約17m崩落しました。これに伴い、区間長40mで道路路肩等が、黒川の河道を閉塞し、湛水させました。この地すべり規模は、幅約90m、奥行き約90m、勾配約25度で、基盤地質は新第三紀のシルト岩・砂岩等の互層、地質構造は流れ盤と確認されました。
地すべり機構及び排土による地すべり対策がまとめられ、7日後には復旧しました。当センターのホームページに詳しい調査結果を掲載しています。
道路被災状況
被災後航空写真

(2) 柏崎市米山町聖ケ鼻(ひじりがはな)地区
  柏崎市街地から南西方向約10km離れた海沿い斜面で、斜面崩壊と地すべりが発生しました。斜面崩壊の規模は、幅約40m、長さ約50m、勾配約35度と推定され、その直下の米山集落に面した稜線付近から発生し、崩壊土砂は道路を寸断しながら崩落して斜面途中に不安定な状態で堆積しました。地質は砂岩・泥岩互層です。
一方の地すべりは斜面崩壊の反対側の日本海に面した斜面で、岩塊が層理面に沿って滑動したものです。規模は、幅約100m、長さ約200m、勾配約20度と推定されます。これらは稜線を挟んで発生しており、斜面崩壊が受け盤、地すべりが流れ盤となっています。
柏崎市米山町聖ヶ鼻地区


NEXT

News Top