謹んで新春のお喜びを申し上げます。
平成19年に北陸地方は相次いで二つの激甚な地震に見舞われ斜面災害が多発し、また富士山などで特徴的な雪崩災害が発生しました。中越地震による地すべり土塊の移動現象を最も重要な研究課題としていた私どもセンターとしては、貴重な対象事例を与えられたばかりでなく、現在までに得られていた研究成果をもとにこれらの発生機構など考察することができました。中越地震から3年を経て、また平成18年豪雪以後に戦略研究として進めてきた検討も、それぞれの研究成果を研修会・セミナーなどを通じ現場の担当者などに還元できるようになりました。
さらに東京農工大学を昨年度末に退官された中村浩之同大名誉教授に部外研究員を依頼したところ、快くお受けいただきました(現在荘厳な妙高山を望む旧家にご自宅を移されました)。加えて交流研究員として優れた研究成果をあげてくれたハスバートル氏を専門研究員として採用し、研究体制を充実することができました。
寒地土木研究所との共同研究も、積極的に展開しています。未解明な分野が数多く残されている地すべり並びに雪崩に伴う災害に対して、的確かつ効率的な対策の策定に資する研究を強力に推進するために、地方整備局、県、雪崩・地すべり対策協議会を中心とする市町村などの関係機関、及び他の研究機関及び研究者とのネットワークを活かし、新たな気持ちで取り組んでまいります。
今年も一層のご支援をお願い申し上げます。
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