研究内容
1) 河川洗掘に対応した橋梁下部構造の予防保全型メンテナンスに関する研究
近年、洪水発生時において橋脚が沈下する被災事例が目立つようになってきています。ひとたび橋脚が沈下被災すると、復旧までに相応の期間を要するため地域への影響は大きなものとなってしまいます。本研究では、橋脚沈下被害を未然に防ぐことを目的として、構造物メンテナンス研究センター(CAESAR)と連携しながら、水中部に位置する橋脚周辺の洗掘深の調査方法や、橋梁の洗掘被災リスクの予測・対策技術の開発を行っています。また、令和7年度より、東日本旅客鉄道株式会社,鉄道総合技術研究所,そして土木研究所(河道保全研究グループ,CAESAR,ICHARM)の3機関で共同研究を開始し橋梁被災の予防保全に向けた研究を進めています。
2) 外力増大と多様な流況変化に伴う土砂流下増大による河川構造物の機能確保に関する研究
水理構造物においては、土砂流下によって顕著に構造物が損傷を受ける事例が存在します。河川構造物においては、護床ブロック、ダムの水叩き、土砂バイパストンネル等が挙げられます。これら水理構造物のインフラメンテナンスにおいては、今後より一層の効率性(設計合理化、補修期間短縮化による非稼働期間の短縮化、コスト抑制)追求が必要と想定されます。本研究では、土砂流下現象の理解に基づいた、水理構造物の設計・維持管理の効率化について研究します。
3) 河道の二極化対策
近年、多くの河川において河道の二極化(砂州上に樹木群等が繁茂する一方で澪筋の深掘れが進行し、澪筋河床と砂州との比高差が過度に拡大する現象)が生じています。二極化の発生に伴い、樹木群繁茂による流下能力の低下や、護岸や橋梁といった河川に設置されている構造物の不安定化等が課題として顕在化しつつあります。本研究では、水面下の河床高のセンシング・情報処理技術の開発、樹木伐採や土砂の投入をはじめとした対策が二極化の緩和に与える影響を定量的に評価する手法、橋梁をはじめとした構造物が不安定化する可能性の予測・アラート手法の開発、構造物の強靭化に資する砂礫の還元技術を開発します。



