土研ニュース

平成28年熊本地震における土木研究所の対応について

 平成28年4月14日21時26分頃、熊本県熊本地方でマグニチュード6.5 の地震が発生しました。その約28時間後の16日1時25分頃には、マグニチュード7.3の地震が発生し、これらの2つの地震により熊本県で最大震度7を観測しました。同一地点で震度7が連続して観測されるというのは初めてのことです。

 この地震により、熊本県、大分県を中心に甚大な被害を生じ、消防庁の取りまとめ(6月16日14時現在)によると、地震による死者69名、負傷者1,663名、住家被害については、全壊7,656棟、半壊22,968棟に上っています。インフラ施設に関しても、河川堤防・ダム等の被害、橋梁や道路盛土・トンネル等の被害、大規模斜面崩壊や土石流等の土砂災害など、多大な被害が発生しました。

 土木研究所では、国土交通省や地方自治体からの要請を受け、国土技術政策総合研究所等と連携し、地震発生の翌日から、緊急災害対策派遣隊(土研TEC-FORCE)等として、現地に職員を派遣し、被害の実態調査とともに、2次災害防止や被災した施設の復旧方法等に関する技術的な支援を行っています。河川堤防・ダム、土砂災害、道路や橋梁等の調査のために、4月15日~6月7日までの間に、延べ204人を現地に派遣しています。

 今後も引き続き、被災したインフラ施設の復旧等、一刻も早い被災地の復興に向けて全力を挙げて支援を行って参ります。そして、今回の地震により得られた新たな知見を将来の地震被害の軽減のために役立てるための技術研究開発に取り組んで参ります。


        写真-1 斜面崩壊現場の調査の様子               写真-2 橋梁の被害状況調査の様子

        写真-3 トンネルの被害状況調査の様子             写真-4 落石被害の調査の様子