土研ニュース

平成29年度土木研究所講演会を開催しました

写真-1 西川理事長による開会挨拶
写真-1 西川理事長による開会挨拶


写真-2 上田先生による特別講演
写真-2 上田先生による特別講演


写真-3 藪上席研究員による講演
写真-3 藪上席研究員による講演


写真-4 傳田主任研究員による講演
写真-4 傳田主任研究員による講演


写真-5 澤野グループ長による講演
写真-5 澤野グループ長による講演


写真-6 山口理事による閉会挨拶
写真-6 山口理事による閉会挨拶

  平成29年10月19日(木)に東京都千代田区の一橋講堂において、「平成29年度土木研究所講演会」を開催致しました。

  本講演会は、土木研究所の研究者による講演を通じ、当研究所が実施している研究開発の成果や研究状況を、それらの分野の動向と絡めて幅広く一般に紹介するものです。

  今回の講演会では、「インフラストックの有効活用をもたらす技術開発」、「生産性向上をもたらす技術開発」、「巨大化、多様化する災害に対する防災・減災のための技術開発」の3つのテーマごとに様々な技術開発についてご報告致しました。


  特別講演では、理化学研究所 革新知能統合研究センター 副センター長の上田修功様に「人工知能の新展開 ~環境知能の実現に向けて~」と題したご講演を頂き、現在取り組まれている社会科学分野でのビッグデータ分析のための機械学習技術についての紹介、さらに、人工知能研究の新展開として環境知能研究とその具体的応用例についてご紹介頂きました(写真-2)。


  「インフラストックの有効活用をもたらす技術開発」では、①非常時以外は休止している待機系の機械設備における状態監視技術の適用性についての研究(技術推進本部 並河本部長)、②放流設備の水理設計のための模型実験等のダム再生に関する研究(水工研究グループ水理チーム 石神上席研究員)、③舗装点検要領の策定など舗装管理に関わる最近の話題及び舗装メンテナンスサイクルの構築に向けた取り組み(道路技術研究グループ舗装チーム 藪上席研究員)(写真-3)、④道路構造物に対する優れた耐久性を高い信頼性で実現するための研究(橋梁構造研究グループ 玉越上席研究員)など、4件の研究成果をご報告致しました。


  「生産性向上をもたらす技術開発」では、①河道内の樹林化についてのドローンや人工知能を用いた植生監視技術(水環境研究グループ河川生態チーム 傳田主任研究員)(写真-4)、②地質地盤リスクの見落としや放置が引き起こす問題及び地盤災害や地盤トラブルなどをメンテナンスサイクルの中に内部化してとらえるための取り組みについての考察(地質・地盤研究グループ 小橋グループ長)、③コンクリートの生産性向上に資する機械式鉄筋定着工法や流動性を高めたコンクリートのガイドライン等の策定の背景及び今後の課題(材料資源研究グループ 渡辺グループ長)など、3件の研究成果をご報告致しました。


  「巨大化、多様化する災害に対する防災・減災のための技術開発」では、①深層崩壊や天然ダム、噴火降灰後の土石流等の土砂災害を対象とした最新の斜面監視技術(土砂管理研究グループ 水野上席研究員)、②洪水を降雨、流出、土壌浸透、土砂輸送等の過程から統合的に捉えた上でのデータの利用可能性を考慮した洪水予測(水災害研究グループ 澤野グループ長)(写真-5)、③平成28年8月北海道豪雨における河川災害の概要、堤防決壊の現象及び流路変動等の特徴的な被災要因の紹介(寒地水圏研究グループ 前田上席研究員)など、3件の研究成果をご報告致しました。


  講演会当日は、さまざまな業種、分野から464名の方にご来場頂き、盛況のうちに閉会することができました。来場者から頂いたアンケートは、今後の講演会開催に活かして参ります。

  本講演会の講演内容をまとめた講演集と講演者の発表資料はホームページに掲載しておりますので、是非ご覧ください。

(問い合わせ先:研究企画課)