土研ニュース

平成30年度土木研究所講演会を開催しました

写真-1 西川理事長による開会挨拶
写真-1 西川理事長による開会挨拶

写真-2 野口教授による特別講演
写真-2 野口教授による特別講演

写真-3 金澤グループ長による講演
写真-3 金澤グループ長による講演

写真-4 渡辺グループ長による講演
写真-4 渡辺グループ長による講演

写真-5 小川上席研究員による講演
写真-5 小川上席研究員による講演

写真-6 山口理事による閉会挨拶
写真-6 山口理事による閉会挨拶


  平成30年10月11日(木)に東京都千代田区の一橋講堂において、「平成30年度土木研究所講演会」を開催致しました。

  本講演会は、土木研究所の研究者による講演を通じ、当研究所が実施している研究開発の成果や研究状況を、それらの分野の動向と絡めて幅広く一般に紹介するものです。

  今回の講演会では、「土木分野における新技術の活用」、「土木分野におけるリスクマネジメント」の2つのテーマごとに様々な技術開発についてご報告致しました。


  特別講演では、国立大学法人横浜国立大学 リスク共生社会創造センター センター長の野口和彦様に「社会インフラ計画の基盤となるリスクマネジメント」と題したご講演をいただき、最新のリスクマネジメントの要点の整理、および社会要求や環境が大きく変化している現代社会におけるマネジメントの技術改革についてご紹介いただきました(写真-2)。


  「土木施設の維持管理・更新にAI技術を取り込む上での課題と展望(技術推進本部 有田本部長)、②道路橋維持管理におけるモニタリング技術の活用(橋梁構造研究グループ 金澤グループ長)(写真-3)、③構造物の補修補強対策の信頼性向上(材料資源研究グループ 渡辺グループ長)(写真-4)、④流量観測等の高度化に向けた土研の取り組みと今後の展開(水工研究グループ 箱石グループ長)、⑤大規模岩盤崩壊の被害軽減に向けた研究の取組み(寒地基礎技術研究グループ 西本グループ長)として、5件の研究成果をご報告致しました。


  「土木分野におけるリスクマネジメント」では、①地質・地盤リスクマネジメント技術の開発-アセスメントからマネジメントへ-(地質・地盤研究グループ地質チーム 阿南上席研究員)、②山岳トンネル工事におけるリスク低減に向けた研究(道路技術研究グループトンネルチーム 日下上席研究員)、③地すべり災害のリスクマネジメントに関する話題提供(土砂管理研究グループ地すべりチーム 藤平上席研究員)、④下水処理水に残存する医薬品等のリスク評価及び除去技術(水環境研究グループ水質チーム 小川上席研究員)(写真-5)、⑤世界各地で激甚化する水災害への取り組み(水災害研究グループ 澤野グループ長)、5件の研究成果をご報告致しました。


  講演会当日は、さまざまな業種、分野から483名の方にご来場頂き、盛況のうちに閉会することができました。来場者から頂いたアンケートは、今後の講演会開催に活かして参ります。

  本講演会の講演内容をまとめた講演集と講演者の発表資料はホームページに掲載しておりますので、是非ご覧ください。


(問い合わせ先:研究企画課)

「設立10周年記念CAESAR講演会」開催

写真-1 設立10周年記念CAESAR講演会
写真-1 設立10周年記念CAESAR講演会

表-1 プログラム

写真-2 基調講演の全邦釘先生
写真-2 基調講演の全邦釘先生

写真-3 講演される松村英樹氏
写真-3 講演される松村英樹氏


  2018年9月28日に、都内の一橋講堂において「設立10周年記念CAESAR講演会」を、構造物メンテナンス研究センター(CAESAR)の主催により開催しました(写真-1)。プログラムを表-1に示します。CAESAR講演会は、道路橋の維持管理に関する情報提供を行うこと、また技術者の交流の場を提供することを目的として、毎年開催しています。

  まず基調講演として、土木学会の「構造工学でのAI活用に関する研究小委員会」の委員長を務める愛媛大学、全邦釘准教授から、人工知能AIについて、また土木へのAIの適用の可能性について講演がありました(写真-2)。囲碁AIの進化などで近年再び注目されるAIを概説し、土木に適用できそうなAIの特徴を抽出して、維持管理、防災分野への具体の適用例や今後のAI応用技術の発展の可能性を、ウィットを交えて、分かりやすくご説明いただきました。

  豊富な経験を踏まえて、雑誌等で橋の維持管理技術を分かりやすく解説されている松村英樹氏からは、橋の現場で見られるさまざまな兆候から推測される症状、あるいは将来起こるかもしれない症状を、どのような点に留意しながら思考するか、橋の診断技術のポイントを、多くの事例を交えて、ご紹介いただきました(写真-3)。

  今年は、CAESARが設立されてから10年の節目に当たることから、CAESARの10年の研究活動と展望について、橋梁構造研究グループ長金澤文彦から紹介しました。続いて、上席研究員石田雅博から、AIを活用した道路橋維持管理の効率化に関する取組みを紹介しました。また、上席研究員大住道生からは、平成29年の道路橋示方書の改訂と関連して、支承の耐荷性能、耐久性能、性能確認試験、維持管理について求められることを説明しました。

  講演会には、橋梁の設計・施工・維持管理に携わる道路管理者や民間団体、また材料、電気通信、非破壊試験などのさまざまな分野から400名の参加がありました。AIのイメージが変わった、維持補修の話が仕事に役立ちそうなど、プログラム構成や個々の講演について、好評価が多く聞かれました。また、今後の講演への要望も多く寄せられました。

  最後に、お忙しい中、貴重なご講演をいただいた講師の方々ならびに終始熱心に聴講していただいた参加者の方々にお礼申し上げます。


  注)講演資料はホームページに公開しています。


(問い合わせ先:CAESAR)