研究成果の紹介

ADCPによる河川流量計測手法の国際基準化


写真-1 ADCPを搭載した橋上操作艇

写真-1 ADCPを搭載した橋上操作艇



図-1 ADCPで計測した河川流速の断面分布

図-1 ADCPで計測した河川流速の断面分布



写真-2 発行されたISO24578のwebページ

写真-2 発行されたISO24578のwebページ


  ADCP(Acoustic Doppler Current Profiler:超音波流速計)は、超音波を水中の懸濁物資に発射し、反射波のドップラー効果による周波数変化を利用してその移動速度、すなわち水中の流速を計測する機器であり、かつては主に海洋分野で活用されてきました。

  土研水文チームでは、このADCPを河川での流速計測に活用すべく、揺動の少ない橋上操作艇の制作(写真-1)や、揺れの影響下でも精度の良い流速を算出するアルゴリズムの開発等をこれまで実施し、その結果を「流量観測の高度化マニュアル」等にとりまとめ公開してきました。現在ではADCPによる流速の計測は各地の河川で行われ、複数の手法による流量観測時のリファレンスとして用いられる等その精度も評価されています。また、ADCPは縦断的な流速分布や土砂の移動量、河床高等も計測可能なことから(図-1)、流量観測以外にも河川分野で様々な目的で活用されています。こうした成果が認められ、平成31年(2019年)4月には科学技術分野の文部科学大臣表彰(科学技術賞:開発部門)を受賞しました。

  ADCPによる流量観測手法の国際的な技術基準化は日本が中心となって進められました。ISO/TC113(水文観測に関する技術委員会)の下の作業部会において、土研水文チームがコンビナー(議長、取りまとめ役)として作業を進め、原案作成、各国調整および修正等を経て令和3年3月にISO24578( Hydrometry — Acoustic Doppler profiler — Method and application for measurement of flow in open channels from a moving boat)として正式に発行されました(写真-2)




















(問い合わせ先 : 水工研究グループ 水文チーム)