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写真−1 大所地すべり全景 |
大所地すべりは、一級水系姫川の合流地点から約1q西の大所川沿いに位置します。写真−1は大所地すべりの全景写真を示します。
大所川とその流域は、糸魚川−静岡構造線の西側近傍に位置しており、山体の深部まで破砕が進んでいるため、大規模な崩壊地や地すべり地が多く分布しており、このような地質構造により大所川本流や支流では、しばしば土石流が発生しています。過去(昭和42年5月)には大所川を堰止め、天然ダムを形成するほどの大規模な崩壊が発生するなど、破砕された流域特有の大規模な崩壊と、それに伴う土石流災害を発生させるポテンシャルを持つ流域のため、砂防施設を配置することが急務となっています。そこで土砂災害防止のため建設省北陸地方建設局松本砂防工事事務所と新潟県糸魚川土木事務所により、砂防事業が実施されています。大所地すべりは、大所川右岸に位置する大規模な活動中の地すべりであり、砂防事業を進める上で障害となっています。また、平成7年7月には豪雨があり、大規模な水害(7.11水害)が発生しました。この豪雨により大所川が増水し、地すべり末端部が侵食されましたが、これまでにない大きな移動を観測しました。
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