新潟試験所ニュース

【実験施設紹介シリーズ二俣定点観測施設】

 新潟試験所では冬期路面管理水準の策定を目的として効果的・効率的な雪氷路面対策に関する調査研究を実施しています。
 本施設は平成9年度に新潟県新井市籠町地先に設けた定点観測施設を、より気象条件の厳しい同県中頸城郡妙高高原町二俣地先の国道18号脇に移設・増強したものです。
 写真−1は観測施設周辺の風景で、施設前の国道は標高約500m、縦断勾配1.5%〜2.0%で前後1q区間に大きな交差点が無く、信号制御の影響を受けない単路部です。
 本施設では表−1に示す各種観測機器を用いて気象や交通状況を自動観測しています。
 そのほか、詳細観測として調査員がより詳細な雪氷路面状態や凍結防止剤の残留量を計測したり、北陸地方建設局から借用した路面すべり抵抗測定車(写真−2)を用いて路面のすべりやすさを定量的に観測しています。

写真−1 観測地点の風景 写真−2 路面すべり抵抗測定車
写真−1 観測地点の風景 写真−2 路面すべり抵抗測定車

表−1 観測項目および使用機器の一覧
観測種別 観 測 項 目 使 用 機 器
定点自動観測 気象観測 気温
気温、湿度
風向、風速
上下短波放射量
下向き長波放射量
視程距離
通風式気温計
温度湿度計
風向風速計
アルベド計
精密赤外放射計
視程計
路面観測 路面温度
積雪、水分の有無
路面状況
路面放射温度計
路面反射比率計
ITVカメラ
交通観測 走行速度、交通量 R型車両感知器
現地詳細観測 路面観測 時間降雪深
路面圧雪深
残留塩分濃度
すべり摩擦係数
路面状況
降雪板
ノギス、定規等
塩分濃度計
すべり測定車
目視観察
除雪作業 雪寒対策車両通過時間 目視観察

 本観測施設では表−1に示した観測項目についてデータの蓄積を図り、道路管理者による路面管理の実態を把握し、定量化されていなかった交通要因や、人為的要因が雪氷路面に及ぼす影響について解明しようとしています。
 平成10年度の研究成果としては上記研究ノートで示した雪氷路面で確保されているすべり摩擦係数の現状と凍結防止剤の散布効果の他に、積雪による交通特性の変化や通過交通及び凍結防止剤散布が雪氷路面に及ぼす熱環境特性などがあります。
 本観測施設では平成11年度も引き続きデータの蓄積を図るとともに、新規に同様の観測施設を妙高地先より気象条件の厳しい長野県上水内郡信濃町地先に設置し路面凍結時のデータを観測し妙高高原地先のデータとの比較検討を行っていくことを予定しています。


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