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研究概要




土工構造物の信頼性向上に向けた設計法・施工管理手法の研究

 土工構造物は、被災した場合にも復旧が容易であると考えられてきましたが、土工構造物の大型化や新しい形式の導入により、被災時に復旧が容易でないものも増えています。本研究では、土工構造物のうち、特に変形による性能への影響が大きいと考えられる補強土と大型カルバートを取り上げ、既往の変形事例の分析を通じて、変状形態、変状要因、許容しうる変形の程度を明らかにし、変形が生じた道路土工構造物の性能評価手法を元に、適切な点検・評価・対応手法を体系化した維持管理手法の提案を目指します。




プレキャスト部材の有効活用方法の研究

 建設業にたずさわる技能労働者の高齢化や若年入職者の減少が課題になっており、建設業の生産性の向上が求められています。その手法の一つとして、プレキャスト部材を活用し、現場でのコンクリート工を効率化することが考えられます。本研究では、合理的なプレキャスト部材選定手法の開発、プレキャスト部材の検査技術の開発を行います。




路床及び路体の締固め状態を考慮した道路舗装の設計・施工に関する研究

 道路土工と舗装の設計は従来それぞれ個別に行わ れてきた経緯があります。本研究では、道路土工と舗装を一体で設計することにより、道路の交通性能を確保し、合理的かつ効果的な設計法を提案します。さらに、一体型性能評価手法、品質管理手法等の提案を行います。これにより、舗装の薄層化や断面の合理化によりコスト縮減及び長寿命化を期待することができます。




浅層・深層併用型地盤改良技術の開発に関する研究

 軟弱地盤対策において、セメントなどの改良材を用いた地盤改良の果たす役割が大きくなり、地盤改良のコスト縮減、工期短縮のニーズが高まっています。本研究では、浅層混合処理工法と深層混合処理工法と組合せた地盤改良技術に関する基本的な設計法の考え方を提案し、設計で要求される性能を満足するための施工法についても設計・施工案で提案を目指しています。




グラウンドアンカーの残存緊張力評価に関する研究

 グラウンドアンカーの健全性評価の一つの指標である残存緊張力では、アンカー緊張力が破断に対してどれくらいの余裕があるのか判定することが可能であるとともに、のり面内の緊張力分布から斜面の変状形態を確認することも可能と考えています。本研究では、リフトオフ試験で得られる残存緊張力に着目し、リフトオフ試験結果に影響を及ぼす要因の抽出を行うと共に、残存緊張力を適切に評価できる試験方法を構築することを目的としています。




地形の影響を考慮した土工構造物等の排水性向上技術に関する研究

 山間部の谷を埋めて建設された道路盛土などでは、谷からの浸透水や道路表面を流れてきた雨水が集中するため、大雨によって大規模な崩壊が多発しています。本研究では、このような集水地形における盛土の崩壊メカニズムの解明、地形の影響を考慮した排水工の設計手法の開発、盛土への三次元的な水の浸透を低減・抑制するための、道路路線計画での留意事項の提案を行い、道路の土工構造物等の排水対策を強化することを目指しています。



不良土、特殊土等で築造する盛土の品質管理手法の研究

 火山灰質粘性土(ローム)、有機質土、スレーキング性の脆弱岩など、「不良土」もしくは「特殊土」による盛土の築造には、技術基準図書には明文化されていない熟練技術者の「配慮」が必要とされます。本研究では、不良土、特殊土等で築造する盛土の長期的な強度特性の変化のメカニズムを解明すると共に、盛土材料に応じた締固め施工技術、品質管理技術を提案することで、 経験に乏しい技術者が自らの判断で適切な対策を講じ、盛土の長期的な安定性の向上を実現するための具体的な「配慮」を提供することを目指します。