研究成果・技術情報


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技術の概要
 軟弱地盤対策の工費及び工期の縮減策として、地盤改良の低改良率化は極めて有効な手段であり、ALiCC工法はその1つとして現場に適用される事例が増えています。従来は盛土直下を全面にわたって密に改良体を構築する場合や、盛土のり面下は密に改良体を構築するが盛土中央部ではドレーン工法による圧密促進を併用する工法が採用されることが多くありました。ALiCC工法は、盛土内に発生するアーチ効果を考慮することでセメント系改良体と未改良地盤に作用する盛土荷重を合理的に評価し、従来工法よりも大きな間隔で改良体を配置することができる設計法です。盛土直下に改良体を全面的に均等配置することにより、盛土の沈下量、不同沈下を抑制しつつも、コスト縮減や工期短縮も図ることができます。
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< 改良体にかかる荷重イメージ >
(アーチ効果)
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従来工法(全面改良方式)   
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従来工法(ドレーン工法併用)    
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ALiCC工法     
< 従来工法との比較 >
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適用の効果
1) コスト縮減
  • 盛土両側の法面下を密に改良する従来工法に比べて、下図のとおりコスト縮減 (着底型)が可能です。

  • 2) 工期短縮
  • 圧密沈下の抑制により、下図のとおり工期短縮が可能です。

  • 3) その他
  • 側方変形による隣接施設等への影響や盛土道路面の沈下等を防止します。

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    適用条件
  • 適用する深層混合処理工法で地盤改良が行える範囲の地盤強度であること
  • 改良体直径は、d=0.6~1.3m (1.3~1.8m は試験工事等で検討)
  • 改良体間隔は、λ =1.0~2.5m とする(2.5~3.25m は試験工事等で検討)
  • 改良体の設計基準強度は、適用する深層混合処理工法の標準的な強度の範囲内とする

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    適用上の留意点
  • 設計で必要な地盤情報を入手するため、十分な地盤調査を行う必要がある
  • 軟弱地盤層厚が厚く、極めて軟弱な地盤上に盛土を構築する場合には、必要に応じて試験施工を行い、その結果をもとに逆解析等により設計のパラメータを推定し、ALiCC 工法の設計を行うことが望ましい
  • 施工時に使用される盛土材料が設計時点と異なる場合には、再度安定性照査を行う


  • 動画
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    < ALiCC工法(低改良率セメントコラム工法) >
    (FLV形式動画(18.5MB), 8:29)


    適用実績
    年度 導入現場
    平成19,20,21年度 勝部川河川堤体地盤改良 鳥取県
    平成19-20年度 大磯・塩津地区河川堤体地盤改良 国土交通省
    平成20年度 東津田地区盛土地盤改良 鳥取県
    平成20-22年度 一日市地区河川堤体地盤改良 国土交通省
    平成21-22年度 国道8号米原バイパス地盤改良 国土交通省
    平成22,23,24,25年度 塩見川河川堤体地盤改良 鳥取県
    平成23年度 一般県道地盤改良 石川県
    平成23,24年度 国道178号地盤改良 鳥取県
    平成24,25年度 国道57号地盤改良 国土交通省
    平成25年度 国道178号地盤改良 兵庫県
    平成25年度 雲出野田バイパス地盤改良 三重県
    等、合計 118件(73万m3) (H27.12現在)


    表彰等
  • 第15回 (平成25年度) 国土技術開発賞入賞


  • 共同開発者
  • 基礎地盤コンサルタンツ株式会社
  • 株式会社 キタック
  • 株式会社 不動テトラ


  • 問合せ先
      国立研究開発法人 土木研究所
      地質・地盤研究グループ 施工技術チーム
    :TEL 029-879-6759
      ALiCC 工法研究会事務局 (株式会社 不動テトラ 内) :TEL 03-5644-8569