土木研究所 構造物メンテナンス研究センター

コンクリート床版の土砂化の特徴

深さごとの静弾性係数の測定状況と測定方法 深さごとの静弾性係数の測定状況と測定方法 図-1 深さごとの静弾性係数の測定状況と測定方法
比較的健全なコアE8、C5及び土砂化部から採取したコアE1の応力-ひずみ関係の例 図-2 比較的健全なコアE8、C5及び土砂化部から採取したコアE1の応力-ひずみ関係の例

舗装打継目付近でコンクリートの土砂化が見られた道路橋床版からコアを採取して、位置や深さごとの静弾性係数等の物性や塩分含有量の測定を行っています。これまでの結果では、土砂化部周辺には、深さ方向にも水平方向にも、土砂化と健全の中間的な物性のコンクリート、すなわち土砂化の中間層が存在していたことがわかりました。土砂化の中間層の特徴として、静弾性係数の低下や圧縮載荷初期の付加ひずみの発生が見られました。付加ひずみは、コアで目視可能な水平ひび割れが見られる場合に顕著に認められ、目視可能なひび割れがない場合でも発生する事例があります。また、塩分含有量が多い部位ほど、付加ひずみが大きい傾向が見られています。

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道路橋コンクリート床版の土砂化対策に関する調査研究、土木研究所資料、第4398号、2020.

参考文献
1) 田中良樹、玉越隆史、村井啓太、藤本圭太郎:道路橋コンクリート床版の土砂化部周辺の変状に関する調査、コンクリート工学年次論文集、40-2、pp.1315-1320、2018.7.
2) 山本健太郎、田中良樹、上仙靖:道路橋コンクリート床版の土砂化中間層に関する調査、コンクリート構造物の補修、補強、アップグレード論文報告集、Vol. 19、pp. 531-536、2019.10.