研究成果の紹介

交通事故を防ぐ!  〜 「ランブルストリップス」の紹介 〜

            
ランブルストリップス断面図
ランブルストリップス断面図
ランブルストリップスの施工機械
ランブルストリップスの施工機械
センターポール(左)とチャッターバー(右)
(左)センターポール (右)チャッターバー
整備前後の正面衝突事故件数と死者数の比較 クリックすると拡大します
整備前後の正面衝突事故件数と
死者数の比較(クリックで拡大)

 北海道の交通事故の特徴は、事故件数に対して死亡事故の割合が高く、特に正面衝突による死亡事故が多いことが挙げられます。

 寒地土木研究所では、施工が容易でコストが安く、冬期除雪作業の支障とならない交通事故対策を検討した結果、センターライン上にランブルストリップスを設置して正面衝突を防止する方法を開発しました。
 ランブルストリップスは、舗装路面に連続して設置した凹型の溝で、車両が上を通過すると不快な振動や音が発生してドライバーに車線を逸脱したことを警告する交通事故対策です。
 既存のアスファルト切削機械を改造し、走行しながらランブルストリップスの溝を切削するので、施工速度が速く、低コストで施工することができます。ランブルストリップスは凹型なので、センターポールやチャッターバーのように突起物を設置する正面衝突事故対策と違って、除雪作業を妨げません。

 北海道の国道で積極的に整備が進められ、平成18年度末で39路線、総延長約609kmに達しました。平成14年から平成16年の3年間に整備された60箇所では、整備前後のそれぞれ2年間で比較すると、正面衝突事故件数は49%減少、死者数は71%減少と大きな成果を挙げています。また、有効な正面衝突事故対策として、北海道以外の積雪のない地域でも整備が進んでいます。

※ランブルストリップス : 英語の“rumble”(ゴロゴロ鳴る)
               “strips”(細長い形が続くこと)を意味します。

わかる!ランブルストリップス(クリックで拡大)
わかる!ランブルストリップス クリックすると拡大します


(問い合わせ先 : 寒地土木研究所 寒地交通チーム
             →ランブルストリップスのページへ)
 

洪水ハザードマップ研修の成果

「タウンウォッチング」の様子
「タウンウォッチング」の様子
「グループディスカッション」の様子
「グループディスカッション」の様子
研修生により作成された独自の洪水ハザードマップ クリックすると拡大します
研修生により作成された独自の洪水
ハザードマップ(クリックで拡大)

 2007年10月30日から2007年11月29日にかけて第4回東・東南アジア地域別「洪水ハザードマップ作成」コースを国際協力機構(JICA)の協力によりICHARMにて実施しました。本研修は、インドネシア、マレーシア、カンボジア、タイ、フィリピン、ラオス、中国、ベトナム、スリランカの研修生(母国では洪水管理を担当する公的機関で働く技術者(計20名))を対象としており、洪水ハザードマップ作成・普及に関する技術や日本のノウハウを学び、母国において洪水ハザードマップ作成・普及に関わる業務に携わる人材を育成することを目的としています。

 研修カリキュラムは、主に講義、演習、現地調査、グループディスカッションに分類されており、各カリキュラムの概要は以下のとおりです。

<講義>: 日本や世界における洪水の現状や洪水ハザードマップの現状、洪水ハザードマップ作成に必要なデータ取得のための技術について学ぶ。
<演習>: 洪水ハザードマップ作成に必要な流出解析や氾濫解析、GISの技術を習得するため、タンクモデル、貯留関数法を用いた流出解析演習、ソフトウェアを用いた氾濫解析演習、GIS演習を行う。
<現地調査>: 地方自治体の協力のもと、研修生自身が洪水ハザードマップを持って街を歩き、住民へのインタビューを行うことにより危険箇所の指摘やマップの有効性などを認識する「タウンウォッチング」を行う。
<グループディスカッション>: タウンウォッチング終了後に各班で問題点の整理や解決策の提案等について議論を行う。

 本研修では、演習と現地調査に力を入れており、研修の最後に各研修生がサンプルデータと現地調査の結果を用いて各自で氾濫シミュレーションを行い、洪水ハザードマップを自分達で作成しました。この演習により、研修生が帰国後に母国の洪水危険エリアのデータを用いて洪水ハザードマップを作成するための技術を身に付けることが出来ました。また、研修の最後には、母国においてどのように洪水ハザードマップ作成・普及を進めていくかというアクションプランを国ごとに作成しました。


(問い合わせ先 : ICHARM 国際普及チーム)